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途端に、動画一面が《やぁ》で埋め尽くされる。
《一コメ》
《うぽつ》
《うp乙》
《やぁ》
《まってたよー》
《うぽつ》
《うぽつ》
《うp乙》
《乙》
《おつ》
《やぁ》
《やぁ》
《あ、はじまたwww》
《待ってたーワァ───ヽ(*゜∀゜*)ノ───イ》
《キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《うp乙》
《やぁ》
《うぽつ》
《うp乙》
《やぁ》
《うp乙》
《乙》
《やぁ》
《乙》
《うp乙》
《うぽつ》
《うぽつ》
《うp乙》
《うp乙》
《乙》
《乙》
《うp乙です》
《うぽつ》
《うぽつです》
《うp乙》
《やぁ》
《うp乙》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《はじまってるーヾ(●´∇`●)ノ》
《待ってたぜ( *˙ω˙*)و グッ!》
《やぁ》
《やぁ》
《( *・ω・)ノやぁ》
《ᐕ)ノやぁ》
《やぁ》
《待ってた》
《( *・ω・)ノやぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《( *´꒳`*)ノやぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《おまえらの【やぁ】で画面が見えねぇwww》
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!》
《嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼》
《叫べばいいってもんじゃないんよwww》
《やぁ(*´-ω・)ノ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《おいwww誰だwww動画のタグに【やぁ】つけたのwww》
《弾幕やめぃwww》
《これは、メシアも悪い》
《メシア、その挨拶やめろ》
《悪質なコメント稼ぎだと思われるので、やめたほうがいいと思いますよ?》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やあ (*´-ω・)ノ》
《|ω・`)ノヤァ》
《やぁ》
《やぁ、ばかりで大草原www》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《挨拶でコメント稼ぐのはどうかとおもいます》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《こんなコメントの稼ぎ方して恥ずかしくないんですか?》
《悪質過ぎると、視聴者へりますよ?》
《やぁ》
《やぁ》
《やぁ》
《まぁ、悪質だと思われてもいいなら止めはしませんけどね》
《やぁ》
《やぁ》
さらにSNSでは、【配信開始】、【コラボ企画】、【ダンジョン配信】、【ダンジョン攻略】、【SSランク】、【SSダンジョン】、【やぁのタグ】、【おまえらの《やぁ》で画面が見えないwww】、【弾幕やめろ】、【コメント稼ぎの挨拶やめろ】、【悪質なコメント稼ぎ】、【悪質】、【弾幕】、【アンチコメ】、【親切に見せかけたアンチ】がトレンドワードとして並ぶ。
そんなことになっているとはつゆ知らず、
『悪質なコメント稼ぎやめろ』
『挨拶でコメント稼ぐな、悪質すぎる』
という荒らしコメントは無視して冬真は言葉を続ける。
嫌ならコメントを消すか、動画を見なければいいというスタンスなのだ。
「今日一緒にダンジョン攻略する、イカれたメンバーを紹介するぜ」
これに、視聴者達は反応する。
その反応はやはり、動画内を流れるコメントとして現れる。
《イカれたメンバー……》
《雪華たんの事かァァァー!!??》
《お前の中で、雪華がイカれた枠扱いなのはわかった》
《蛇マスクのことだろ》
《蛇のことじゃね?》
《スネークはだいぶアタオカだろ》
《それを言ったら、メシアだって...( = = ) トオイメ》
《雪華たんはイカレてるんじゃなくて、ドスわがままなだけだ!!》
《そうそう!!》
《自分勝手で、自己中心的で、そんな感じだから友達いない=年齢の子なだけだ!!》
《ディスってんのか擁護してんのか分からなくて草》
《Wwwww》
《そうか、むしろ可哀想な子だったんだな雪華……》
《そんな恋人いない歴みたいにいってやるなよ》
《雪華に対する信者からの扱いがアレで、腹痛いwww》
《イカレてるなら、恋も中々のイカれ具合だろ》
《(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-》
《恋は、史上最年少でSランクダンジョン攻略者だっけ?》
《しかも、他にダンジョン探索者がいるかもしれないのに、この前の動画で階層突き破った阿呆だ》
《アホウ言うな!》
《あの子、一応才色兼備なんだけどなぁ》
《人間、賢さだけが目立つと愛されないものよ》
《阿呆や馬鹿な方が、愛着がわくだろ》
《多少おバカな方が、たしかに隙があって好感持てるよな》
《でもさー、このまま雪華たん友達出来ないままだと、喪女として一生終わるのでは?》
《それこそ、余計なお世話だろ》
「まず、皆大好き色々残念っ子の雪華!
俺たちに壊されたドローンの数、三台!!
今日は4台目を持ち込んで撮影してるぞ!
続いて、怒れるゴリラのごとく前回、ダンジョンの階層をぶち破って登場した恋!
この前、昼の番組でインタビュー受けてたよ!!
お陰で、あの日、新発売の菓子パンを買い逃してずっとイライラしてたんだって!」
《なんで、タイミング良く外に出てるのかと思ったら、菓子パン買いに行ったからか》
《え、なんでメシアはそのこと知ってるの??》
コメントに、冬真は返す。
ただ、その声は冷たかった。
ハイテンションな紹介の時とは真逆の声だった。
「この時代、ホントの意味で隠れることなんて出来ないからさ」
《え、えっと、それは、どういう意味?》
《なんか、声が不穏》
《( ;゜д)ザワ(;゜д゜;)ザワ(д゜; )》
《ザワ……ザワ……》
と、ここで蛇の補足の声が入る。
「あれよ、恋の同級生がその様子をSNSで書き込んでたんだよ。
今の時代、誰にどこで見られていつSNSに書き込みされるかなんてわからないしな」
《あ、そういうこと》
《たしかに、あるあるだよなー》
《各学校の裏サイトでの書き込みすら現役だしな》
「さて、ゲスト二人の口頭での紹介は済んだから。
登場してもらおうか、って、うおっ?!」
《飛び蹴りだwww》
《反対からは回し蹴りだwww》
《メシアが、別々の蹴り攻撃受けてるwww》
《でも、避けてる》
《さすがだなー》
《おおっとーwww》
《片や鬼の顔した雪華、片や能面みたいに無表情な恋www》
《あの紹介のしかたじゃなー、怒っても仕方ない》
《残念な子とか、馬鹿とか阿呆とか言われたらなぁ( ̄▽ ̄;)》
そんな光景を、その場で見ていた蛇が呟く。
「ダンジョン配信じゃなくて、プロレスにすればよかったかなぁ」
この呟きに、視聴者もツッコミを入れる。
《いや、探索者なんだからダンジョン探索しろよ》
《茶番はいいから、はよ実況しろ》
《実況はよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン》