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【ダンジョン】人助けしたら、知らんとこでバズってた件【実況】  作者: アッサムてー
人がいい掲示板実況者の話
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冬真がいつもどおり授業を受けている、その頃。

とある雑談掲示板に、ダンジョン実況者達が集結していた。


《ヤバくね?》

《ヤバイな》

《ヤバイのは俺たちじゃなくて、馬/のス/レ/主だけどな》

《盛り上がってまいりました!!》


馬のスレ主とは、世間一般で話題になり、メシアと呼称されているスレ主のことだ。

名前に斜線が入っているのは、検索避けである。

それも、気休め程度ではあるが、無いよりは良いと考えた為だ。


《想像よりもヤバイことになってるもんな》

《(*´・ω・)(・ω・`*)ナ-》

《まさか、掲示板まで突き止めるメディアがいるなんて思ってなかったし》

《(σ゜∀゜)σそれなッッ!!!》

《それな( ´-ω-)σ》

《ほんと、(σ・ω・)σそれな》

《見てて楽しいんだけど、このままじゃ楽しいを飛び越えて、下手すると不快になりかねないな》

《知り合いの特定班から、情報提供あった》

《おう?》

《情報提供?》

《なになに??》

《なんか、日本全国各地のダンジョン専門学校に取材が殺到しつつあるやしい》

《全国各地なのに?》

《その県のメディアが殺到してる》

《あ、なるほど》

《え、ヤバいじゃん》

《馬/のス/レ/主、そういうのが嫌だから、あの動画を出したんだろ》

《なに甘っちょろいこといってんだ、お前ら頭お花畑だな》

《:( •ω•):イラ》

《ああっ?!( º言º)》

《予想されたことだろ、ほんっっっと、馬鹿だな》

《おっしゃ、リアル教えろ殴りに行ってやる》

《つーか、スレはいつからこんな礼儀正しい場所になったんだよ??》

《人間の醜さを煮込んで詰め込んだような場所だっただろ》

《おい、レスバやめぇいwww》

《とりあえず、引っ掻き回すのやめろ》

《そうそう、今は俺たちの玩具がどう出るか、だ》

《スネーク書き込みにこないかなぁ》

《しかし、そこまでヤバいかね?》

《言うほどヤバくはないと思うぞ》

《えー、そうかなぁ?》

《馬/のス/レ/主の時とリアルじゃ、だいぶ印象違うらしいしな》

《………あ》

《ん、どした?》

《あー、うん、いや、さ》

《うん》

《馬/のス/レ/主、インタビュー受けてる》

《……はい?》

《お昼のニュース、生放送の奴で、普通にインタビュー受けてる》

《え、ちょ、うそ?!》

《よく馬/のス/レ/主だってわかったな》

《あ、あー、あのさ、俺、馬/のス/レ/主、しごいた一人だから、顔知ってるんだよね》

《おいおいwww》

《マジかwww》

《インタビュアーが、掲示板でスレ主自身が書き込んでた、リアルでの身体的特徴持ち出して、お前か?みたいなこと聞いてるけど》

《待て待て、他の県でも似たような奴にインタビューしてるっぽいな》

《スレ主なんて答えてるんだ??》


スレ民たちは、興奮のあまりか斜線を入れることすら忘れて、情報提供者へ問いただす。


《スレ主、人違いでーす(意訳)って言ってる》

《そりゃ、言うよな》

《そういうしか無いよな》

《あwww丸投げしたwww》

《丸投げ?》

《いやさwwwスレ主のやつ、今日はコンビニ弁当にしようと外出たところを声かけされたんだけどさwww》

《うん》

《その近くを、たまたま恋が通りかかってなwww》

《あっ…(察し)》

《恋って、史上最年少でSランクダンジョン攻略した子か》

《そういや同級生なんだっけ?》

《おいおい、そんなこと書き込んだらこの掲示板も見つかっちゃうぞ》

《その時はその時だろ》

《スレ主のことも考えて、もうちょい慎重に書き込みしろって言ってんだ》


ちなみに、件のインタビューだがこんな感じである。


「お話いいですかー??」


冬真の通うダンジョン専門学校にも、取材陣が殺到していた。

取材陣は校門前にいて、生徒は校門前からしか外に出られない決まりとなっている。

そのため、冬真含めて他の生徒たちも、今日の昼食を近場のコンビニorスーパーの弁当を買いに行こうとしたら、ここから出るしか無かった。

本来なら学校側が対処に動くのだが、それが間に合わなかったのである。


「あ、はい。

昼買いに、コンビニ行くんで短時間の受け答えでいいなら」


「ダンジョン配信のメシアって方、知ってますか?」


「……あぁ、はい。なんか物凄く話題ですよね。雪華さん、でしたっけ?

あの人を助けたところは知ってますよ、見ましたから」


「そうそう、そうなんですよ!

それで、ですね。

貴方、メシアさんとそっくりですねぇ??」


「え、そうですか?」


「背格好もですが、その、持ってる剣もまったく同じ物のように見えますよ?」


「へぇー、なんか嬉しいなぁ(棒)

でも、俺、あんな完璧超人なイケメンじゃないですよ?」


なんて言ってから、逆にインタビュアーへ冬真は聞き返した。


「ねえねぇ、お姉さん、お姉さんもとても綺麗ですけど。

どうしたらメシアみたいな超絶完璧イケメンや、お姉さんみたいに綺麗になれます??

やっぱり化粧品とかこだわってます??」


ちなみに、ここまで全て棒読みの上、脱力声での返答である。

これにはインタビュアーが一瞬、困った顔になった。

その直後、恋が同じようにコンビニへ行こうと近くを通り過ぎようとしていたので、冬真は、


「あ、メシアについては、あの人に聞けばいいんじゃないですか??

一緒に動画出てたし」


こんな感じで恋へ丸投げしたのだった。


《おいwww自分のこと完璧イケメンとか言ってるぞwww》

《自画自賛www》

《九割は冗談だろ》

《スネークの入れ知恵じゃね》


掲示板は大草原となってしまった。

そこに、他ならない冬真が書き込みに現れた。


《どーもー、超絶完璧イケメンでーすwww》


草こそ生えているが、書き込んでいる冬真の顔は無表情だ。

当然、スレは盛り上がってしまう。


《おわ、スレ主?》

《おまwwwなんだよ、あれwww》


《なにって、インタビューに答えただけ》


《ちょwwwおまえwww有名人じゃんwww》

《おいおい、いいのか?》

《このスレも特定されんじゃね??》

《キャラ崩壊著しいなwww》

《スレ主、あんなこと言うキャラじゃないだろ》


《大丈夫、どうせ成りすましだって思われるし》

《それに》


《それに?》

《なになに?》

《なんか、含みがあるな??》


《このインタビュー見た奴らの感想見てみろ。

俺への悪口しかないぞ?》


《まじ?》

《あ、ほんとだ》

《インタビュアー、見る目ないって言われてんな》

《スレ主も、こんなブサイクじゃねーって書き込まれてる》


《見た目って大事よね》


《それ、本人が言うんだ》

《言っちゃうんだ》

《でも、あのインタビュアーは惜しかったなぁ》

《当たりだったのになぁ》


《しかし、ここまで騒ぎになるとはなぁ。メディアの執念もスゲェ》


《それな》

《わかる》


《まぁ、事が大きくなりすぎてるから、スネークがお願い動画投稿するってさ。

あと、今後の活動についても詳しいやつ流すって》


《お、そうか》

《了解了解》

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