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《っしゃあ!》
《やってやんよ!!》
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛》
《マジか》
《(」’ω’)」オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!!!》
《おおおおお》
《おお》
《おおおおおおお!!??》
《おぁぁぁぁあ!!!!!》
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛》
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛》
《ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛》
流れていくコメントを見て、冬真は思わず呟いた。
「有名になりたいやつ多いなぁ」
蛇がそれに返す。
「そりゃ、一発逆転は人類の夢だからなぁ」
「まぁ、わからなくはないけどさ。
それにしても、盛り上がりがヤバいというか」
異様と言った方がいいだろう。
少なくとも弾幕が途切れずにつづいている。
「だれだってめんどい事は嫌いだろ。
ノリノリな奴らはめんどくさい事せずにお手軽に有名になりたい奴らってこった」
中々に棘と毒のある言葉を蛇が口にする。
すると、書き込まれるコメントが変わった。
《おい、爬虫類野郎www》
《ほざくじゃねーか、蛇やろうwww》
《この蛇のひと、女性だから【野郎】じゃなくて【女郎】が正しいんじゃ??》
《爬虫類は女だから【野郎】じゃなくて、【女郎】じゃね?》
《こまけぇことはいいんだよ!!》
《そういや、なんでこの人蛇マスクなの?》
《挑発に乗ってて草》
《ノリがいいなぁwww》
《Wwwwwwwwwwwwwww》
《Wwwwwwwww》
《お手軽な方法とってなにが悪い!!(ノシ 'ω')ノシ バンバン》
《うーん、この、手のひらの上でコロコロされてる感よwww》
そんなコメント群を無視して、冬真が質問への返答を再開する。
「じゃー次は蛇についてな。
こいつ元々スネーク活動してたんだよ。
スネークからとって蛇な」
《???》
《意味わからん》
《スネーク活動ってなに??》
《意味不》
《説明はよ》
《説明求む》
《おwwwいwww》
《説明ほしい》
《スネークって、そっちのスネークかwww》
《また懐かしいなwww》
【スネーク】の意味を知らない者と知っている者のコメントが混ざり、流れていく。
知らない者達へ蛇本人から、ありがたい返答があった。
「ググれカス」
楽しそうな声音である。
《罵られた?!》
《なんで??》
《おい、ふざけんなよ爬虫類野郎!!》
蛇の返答に、視聴者は戸惑う者と憤る者と現れる。
しかし、その反応を楽しむもの達もまた居るもので。
《ggrks www》
《Wwwww》
《懐かしいwww》
《ググれカスwww》
《たしかに、ggrks》
《久々にggrksって聞いて、くっそ笑ってるwww》
《聞けばなんでも教えて貰えると思うなよなー》
《コメントにも辛辣な奴が現れ始めたΣ(・ω・ノ)ノ》
言葉の意味を知っているもの達のコメントは、大体は草が生えていた。
知っている者は、高確率で古のインターネット老人会の面々である。
さすがに、冬真が言葉の説明をした。
「どこか、対象となる場所に突撃潜入する人の事」
《へぇ、そうなんだ》
《説明さんくす》
《でも、なんでスネーク??》
なぜ潜入することがスネーク活動と呼ばれるのか、わからない者がコメントを書き込んだ。
それにまた蛇が答える。
「ググれカス」
《またそれかwww》
《なあなあ、それよりもっと場所のヒントほしい》
《そういや、まだ全然ダンジョンのなか進んでないよな》
《モンスターとか、もうちょっと場所を特定する情報くれ》
コラボ企画&参加企画のため、なんとか冬真達のいるダンジョンの場所を特定したいもの達のコメントが流れていく。
それを受けて冬真が
「あ、そうだな。
喋ってるとどうも足が止まっちゃうなぁ。
じゃあ、ここからは実況していく」
同時に、ドローンが二人が今いる場所を映し出す。
それまでは、冬真と蛇を中心に映していたが、二人が映像から消える。
そのかわり、映し出されたのは点々とあちこちに淡い光が宿る土壁だった。
中々幻想的な風景である。
《゜+。:.゜おぉ(*゜O゜ *)ぉぉ゜.:。+゜》
《お、綺麗だな》
《ダンジョンじゃなければデートスポットにいいかも》
《しかし、どこだここ??》
ようやく提示されたダンジョンの最初の情報に、弾幕にこそならなかったものの、コメントが盛り上がった。
そんなライブ配信を、かなり怖い顔で視聴する者がいた。
雪華である。
一方、淡々と視聴する者もいた。
恋である。
対照的な2人は、それぞれ別々の場所でこのライブ配信を視聴していた。
やがて、二人はお互いに知ることの無いことだが、同時にライブ配信がされているであろうダンジョンへ行こうと、動きだしたのだった。