表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ダンジョン】人助けしたら、知らんとこでバズってた件【実況】  作者: アッサムてー
人がいい掲示板実況者の話
23/117

23

「あー、ニュースで知ってると思うが、SSSSSランクダンジョン攻略者が出た。

詳細は省くが、真似するなよ。

ちゃんと、墓に弔ってほしければな」


朝礼早々に、担任が釘を刺してきた。

ほかのダンジョンなら、まだ無言の帰宅で済むことが多い。

しかし、SSSランク以上だとそれも叶わないことが普通だ。

つまり、骨も残さず消えることとなる。


「せんせー、あの動画の人って、探索者の世界だと有名な人なんじゃないんですかー??」


生徒の1人がそう質問した。


「余計なこと考える暇があったら、鍛錬と勉強しろー」


担任の返答はにベも無い。

しかし、その問答の間にもチラチラと何人かのクラスメイトが冬真を見てくる。

なんなら担任が冬真を名指ししないか、と期待してる雰囲気さえあった。

名指しはされなかった。


いつも通り授業を受け、冬真がスレ民たちへの報告をしたのは昼休みであった。

学校近くの個人商店のパン屋が売りに来る、焼きそばパンを買って、教室に戻る。

それをモサモサと食べながら、携帯を操作する。


《来たぞ》

《あ、スレ主だ》

《スレ主キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!》

《待ってた》

《世間は大騒ぎだぞ》

《ちょwwwおまwww有名人じゃんwww》

《とりあえず、報告するぞー》

《待ってた》

《ワクワク》

《wktk》

《クラスメイト達の反応どうだった??》

《報告はよはよ!》


(ちょっと怪しまれてはいたけど、普段のキャラと違いすぎるから、半信半疑ってとこかなっと)


《おや、半信半疑なんか》

《ちょっとは怪しまれたんだなwww》

《教師の反応は??》


(とくに名指しされなかったから、バレてないと思う)


《良かったなー、真面目なキャラで生活しててwww》


(そこまで真面目なキャラでもないんだけどなぁ)


《もし直ぐに特定されてたら、今頃学校にも取材が殺到してて大変なことになってたはずだぞ》


(いやぁ、それはどうだろ??)


少なくとも、恋の時はそんなことは無かった。

記者会見は別で行ったらしいと聞いている。


《お、盛り上がってるな》


唐突に、スネークことヘビが書き込みしてきた。


《あ、スレ主のマネージャーだ》

《どした??》

《なにか報告??》

《報告なら、SNSでしろよ》

《まぁ、報告っちゃあ報告だな》

《スレ主にはメッセージを送ったが、まぁあとで改めて確認してくれ。

スレ主、とりあえず今夜もダンジョンに潜るんだろ?》

《まぁ、一応》

《それ、生配信するぞ》


「……へ??」


生配信は知っている。

リアルタイムでする配信のことだ。

それを、今日するのだという。


《また急だな》

《問い合わせが多かったんだよ。

次の動画投稿日はいつだ〜ってな》

《おいwwwもしかして、スレ主の活動アカウントがあるSNSの調子が悪いのって……》

《そーいや、鯖落ちしそうだよな、あのSNS……》

《たった今鯖落ちしたっぽい件www》


スレ民たちからの、報告にヘビも驚く。


《マジか》


「マジか」


ヘビの書き込みと、全く同じセリフを冬真は口にした。


《え、どうすんの??

活動情報、お知らせ出来ないじゃん》


スレ民の真っ当すぎるツッコミが入る。

しかし、ヘビは直ぐに返答した。


《告知動画投稿するから平気。

でも、それにはスレ主の返答次第だ。

どうする?

生配信するか??》


チラついたのは預金残高がゼロになった通帳だった。


《する》

《よっしゃ、段取りは任せろ!

なんなら、今回は探索者連盟の仕事をついでに受けようか。

安心しろ、俺の名前で受けてやるから》

《なーんか、ヘビが良いとこ取りする詐欺師に見える》

《それな》

《失敬な、ちゃんと明朗会計でやるから安心しろ》

《しっかし、なんでそんなにヘビはスレ主の世話やくんだよ??》

《え、だって面白そうじゃん》


面白そうだから、世話を焼いているらしい。

この上なく、単純明快だ。

乗りかかった船ということもあるだろうけど、実にスレ民らしいと冬真は思った。

しかし、コラボ配信の話はどうなったのだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ