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【ダンジョン】人助けしたら、知らんとこでバズってた件【実況】  作者: アッサムてー
伝説リアタイ世代と、掲示板実況者達
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SNSで、それまで平和だったトレンドワードのランキングが動いた。

1位は【バベル】、二位は【ラスボス】、三位が【キール・ロンド】となっている。

その後に【地獄の門】、【神曲】、【考える人】、【ダンテ】、【ロダン】と続く。


冬真がラスボスのいる部屋へ入る。

そこには、青と白が広がっていた。

どこまでも続く、澄んだ空の青と雲の白。

地面はまるでよく磨かれた鏡のように、それを反射している。

ただ、太陽は無かった。


《うお、綺麗》

《空と……下は鏡、か??》

《画像で見たウユニ塩湖みたい!!》

《お?あ、キールだ!》

《デタ━(゜∀゜)━!》

《キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!》

《キタワァ━━━━━━(n'∀')η━━━━━━ !!!!》

《デタ━(゜∀゜)━!キタ━━ヾ(≧∀≦)ノ━━!!》


視聴者の反応が示すとおり、キールが現れた。


「さて、倒せるかねぇ」


と、冬真が剣を構える。

リオが、そんな冬真へ言葉を投げた。


「がんばれー」


《スネークは戦うの?》

《今回スネークはどうするの??》


そんな質問が流れていく。


「スレ主が死んだら手を出す」


《なんか、スネークなら一発で終わりそう》

《わかる》

《それな》

《なんか、わかる》


「……だろ?

それだとつまらないじゃん、動画的に。

だから俺は残機的位置でちょうどいいの」


《まぁ、それはそう》


「けど、俺でも一発で倒すのはちと無理かなぁ。

知り合いに一人、ステゴロでそれやれるヤツはいるけど。

魔法もなにも使わず、ステゴロで魔族倒せるから、あいつが一番意味わからない存在だけど」


リオの脳内に、そんなピンク髪がトレードマークの知り合いの顔が浮かぶ。

一緒にこちらの世界に飛ばされてきた人物の一人である。

ここ数十年、世界各地を調査目的で遊び回ってて顔を見せていないことにも思い至る。


(冬真に会わせたことなかったな、そういや)


機会があれば、顔を合わせることもあるだろう。

少なくとも、死んでいないのだからダンジョンに取り込まれてもいない。


《ステゴロ》

《魔族相手にステゴロ……》

《お化けか強化人間かなんかかな?》

《異能使いがすでに強化人間な件》

《それな》

《もう何が来てもおどろかないよ……》

《バケモノ、とは??》

《世界はバケモノだらけだなぁ(棒読み)》

《なんでそんな人たちが表に出てきてないの》

《こんなの絶対おかしいって》


そうこうしているうちに、冬真とキールの戦闘が始まった。

冬真とキールが斬り結ぶ。


《そういや、メシアが使う無効化させる技、ほかの探索者達の動画だと見た事ないんだよな》

《【魔滅の剣(インヴァリテイト)】か》

《そうそう》

《そもそも攻撃魔法の撃ち合いとか、魔法を武器に付与して攻撃しか出来ないんじゃないっけ?》

《そういや、考察サイトで考察されてたっけな、メシアの使う技、異能は一部がおかしいって》

《おかしい??》

《なにがおかしいの??》

《異能=魔法自体が、本来ならこの世界に無いものだろ?

いまさらおかしいとかあるか??》


《おかしい技の代表格が、メシアの使う【魔滅の剣(インヴァリテイト)】だ》


《そもそも、魔法を斬って無効化すること自体がおかしいんだよ》

《1度発動したものはどうやったって、こちらの世界になんらかの現象を残すんだ》

《あー、悪いがもっとわかりやすく》

《スピード上げて突っ込んできた車がブレーキかけても、スリップしたりどっかにぶつかるだろ?》

《要はそれと同じことが起こる》

《無理やり魔法の発動を止めようとしても、そんな急ブレーキかけられても止まらない止められないってこと》

《なるほど?》

《でも、メシアの使う【魔滅の剣(インヴァリテイト)】はそれをやっちゃってる》

《百歩譲って、魔法を斬るまではわかる》

《危険だけど、やってる人がいるから》

《でも、メシアは斬ることで本来なら起こるはずの、車で言うならスリップやクラッシュ、その果ての爆発、炎上とか、そういう現象まで無かったことにしてるんだ》

《これは、言わば突っ込んで来る車を片手で止めた上、その時生じるだろう衝撃すら無かったことにしてる》

《な?》

《どんだけ有り得ないことをしてるかわかるだろ?》


そんなコメントでのやり取りが流れていく中、冬真とキールの剣と剣のぶつかり合いが続いていた。


《これだけでも、【魔滅の剣(インヴァリテイト)】が、普通の異能、魔法とはちがうってことがわかるんだ》


そのコメントを、なんとも言えない複雑な表情で見ている者がいた。

リオである。

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