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プレイ時間:49.5時間〜

プレイ時間:49.5時間〜



  ツイン・ガーディアンの生命力をある程度、削ったところで、ジャッジメントが動いた。

 エフェクトが光り、ツイン・ガーディアンの生命力が回復していく。

 なるほど、ジャッジメントを倒すのが先か。

 しかしそれをすると、ツイン・ガーディアンに押し潰される。

 やっぱりパーティで挑むのが前提なのだ。

 それでも僕は決めていた。

 今は、絶対に、一人で戦う。

 デギオンとアカリアに、示してやるんだ。

 僕の力と、心を。

 モーションでツイン・ガーディアンの間を抜ける。騎兵槍がめまぐるしく動き、二体の攻撃を跳ね返し、受け流し、ついにジャッジメントの目の前に。

 槌が振り上げられる。

 刹那で回避モーションを選択。

 遅いアバターの動きさえも計算し、際どいところで槌を避ける。

 反撃の三段突き。さらにもう一発。

 背後、両側から挟むようにツイン・ガーディアンがやってくる。

 僕には初めての、一撃でさえも死に直結する、薄氷の上を歩むような戦いが、展開された。

 一度でも間違えれば、即死するかもしれない。

 そうはならなくても、その次の一撃、さらに次の一撃まで行けば確実に死ぬ。

 強くなりたい。

 その一念だった。

 ゲームで強くなることで、何かの代償行為をしているのかもしれない。

 現実での僕の弱さを、ゲームの中の強さで、誤魔化そうとしているのかもしれない。

 でも。

 それでも。

 今、僕がレベル25になれば、デギオンとアカリアは、姿を消すという形で、僕を認めてくれる。

 一人にはなるかもしれない。

 でもそれは強いからで、見放されたわけじゃないと、そう思った。

 二人のためにも、強くならないと。

 いつか追いついて、並ぶために。

 どれくらい先のことかは、わからないけど。

 どれくらいの戦いを続けたのか、戦士の盾が耐久度がゼロになって粉々に砕けた。

 あとは騎兵槍で受け止め続けるしかない。

 生命力のゲージは赤い色に変わり、あと一撃で死ぬほど失われている。

 体力もまた、レッドゾーン。

 騎兵槍の耐久度も低い。

 三段突きでついにジャッジメントが倒れ、粉々になる。

 ツイン・ガーディアンの動きが変化する。

 今までにないがむしゃらの攻勢を仕掛けてくる。

 ほとんど捨て身で応じるしかない。

 集中するために、生命力も、体力も、耐久度も、何もかもを忘れた。

 勝つしかない。

 効果音が鳴って、エフェクトが瞬いた時、やっと僕は瞬きをした。

 ボスを倒したことを祝福する表示と、ドロップしたアイテムの表示、そこへさらに重なるステータスが向上したことを示す表示が幾つかあり、そして最後に、レベルが21に上がった、そう表示された。

 モンスターのいなくなった大広間で、僕はため息を吐いたけど、アバターは激しく肩を上下させるだけだった。




(続く)

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