プレイ時間:3.5時間〜
プレイ時間:3.5時間〜
現実世界で読書したり、食事をしたり、トイレに行ったりしてから、六時間後に僕はもう一度TWCにログインした。
やっぱりセーブ地点を設定していないので、セントラルの中央広場だ。
コントローラーを操作して、ヘルプを開いてみる。もちろん、攻略のヒントはない。設定に関することばかりだ。
次に全プレイヤーが共有できる掲示板を確認した。
こちらは開放掲示板と呼ばれるものと、限定掲示板と呼ばれるものがある。限定掲示板は、スレッドを立てる時に閲覧できるプレイヤーを限定する、ちょっとSNSっぽい掲示板だ。
僕は開放掲示板で初心者向けのアドバイスを検索する。いくつものワードを確認し、繋げたり、消したりして、そうしているうちに時間ばかりが過ぎていく。
しかし収穫はあった。
全ての街には訓練施設がある、とわかったのだ。
ここで戦いの訓練を模擬モンスター相手にできるという。利用料は無料だし、生命力が減らないので死ぬことはない。さらに少ないながらも経験値が手に入る。
こういうことは公式がアナウンスしてくれよなぁ。
僕はマップを開いて検索し、訓練施設へ行ってみた。
中に入ると、開けた空間で、どこか角ばっている印象のモンスターとプレイヤーたちが戦っている。
NPCのアバターが立ち上がり、「ご利用、ありがとうございます。訓練相手のレベルを選んでください」とテキストが表示された。
選べるレベルは1、2、3しかない。
あまり冒険もできないので、1を選んだ。
頷いた次にはアバターが「武器はいかがしますか?」と問いかけてくる。
ああ、そうか、僕は今、棍棒しか持っていない。
しかしどうやら、訓練施設では自分に合った武器を探したり、その武器の技を磨く要素があるらしく、ウインドウがポップアップして、いくつかの項目が表示された。
全くの素人だと自覚して、無難に長剣を選んだ。
「ごゆっくりどうぞ」
アバターが消えると、僕のアバターも広い空間の一角に移動していた。
手には剣がある。無骨な作りだけど、ちょっとだけ嬉しい。いかにも戦士、という感じである。
特に合図もなく、目の前にポリゴン要素が強いモンスターが出現した。
そのモンスターは猿をイメージしているようだ。背丈は僕のアバターと変わらない。
とにかく攻撃しよう。
剣を振ってみると、モンスターにヒットし、その体が揺れる。
反撃が来るのを避けようとする。
どうにも反応が鈍く、今度はこちらがダメージを受ける。生命力のゲージが一割ほど減り、すぐに元に戻る。
とにかく、訓練あるのみだ。
僕は攻撃モーションの斬ると突くを繰り返し、回避の動きも確認し始めた。
(続く)