プレイ時間:3時間〜
プレイ時間:3時間〜
もう一度、草原エリアに入る。
どうにもアバターの動きが悪いけど、とにかく、今のハルハロンはダガーを片手に持ち、もう一方には木の盾を持ち、そして鎧も着ている。
ゆっくりと草むらの間を抜け、常にモンスターを警戒する。
と、木の上から何かが降ってきた。
いきなりダメージ。生命力が三分の一ほど削られている。
木からぶら下がっているのは、緑色をした蛇のようなものだ。
その蛇を認識して、照準、素早くコントローラーを操作して、ダガーを繰り出す。
ザクッという効果音の後、緑の蛇が木の中に引っ込む。
やっとその蛇の名前が「グリーンスネーク」だと表示が見えた。
戦闘は継続していて、木の密集している枝葉を見るけど、よくモンスターが見えない。そういう戦い方をするモンスターらしい。
先に回復しておこうかな。
装備している祝福の雫を選択。効果音とともに視野の外周をキラキラしたエフェクトが瞬く。
生命力が九割まで戻る。次に緑草を使用した。
したけど、その前にグリーンスネークが落下してきて、ダメージを与えてくる。
ダガーを繰り出そうにも、緑草を選択しようとしていて、間に合わない。
追撃は間に合わず、ダガーの突きは空振りに終わり、モンスターは木の中に消えた。
距離をとったほうがいいのかもなぁ。
あまり緊張感もなく、モンスターが隠れている木からとりあえず、離れた。
離れたはずだったのが、グリーンスネークの方から、こちらに飛んでくる。
木の盾で防御を選択し、ギリギリで盾が攻撃を受け止める。
逃がさないためか、グリーンスネークが連続攻撃。全部を盾が受け止めた。
いきなり何かが砕ける効果音が鳴り、視界に「木の盾は破壊されました」と表示された。
さすがにこれにはギョッとした。
壊れる? 何で?
これでは防御手段がないため、ダガーで反撃する。グリーンスネークも攻撃をやめない。
望まない攻め合いになったけど、結末は悲惨なものだった。
木の盾が砕けたように、ダガーが砕け、僕は攻撃手段も防御手段も失い、逃げ出すこともできず、結局、またも死んだのだった。
視界が一人称から三人称に変わり、僕はやや唖然とグリーンスネークが引っ込んだ木を見ていた。
どうやらこのゲームは相当に手強そうだ。
一人で遊ぶのを想定していないのか、僕が無謀なだけか。
一時間を待つ気にもなれず、ログアウトしてトップページに戻った。
ハルハロンのアバターがなめし革の鎧を着ているのを確認し、しかしダガーも木の盾も今はないのも理解した。
思わずため息をつきながら、アプリを閉じる操作をした。
六時間後に、仕切り直しだ。
(続く)