プレイ時間:36.5時間〜
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ストーンタウンはその名前の通り、石造りの建物が多い。
僕たち三人がまず初めにやったのは、パーティの拠点になる場所を決めることで、これはそれぞれの層に一つある街の中で、一箇所が設定できる。
セントラルではデギオンの店かアカリアの店が使えたけど、ここにはそういう場所はない。
慣れた様子でデギオンが飲食店街の一つの店を選んだ、けど、僕はちょっと彼の真意が読めなかった。
そこは例えば、酒場、ではないし、食堂、でもない感じだ。
石造りには不釣り合いな、ラーメン屋、なのだ。
表には暖簾が出ていて、赤地に白の染め抜きで「ラーメン 餃子 ビール」と書かれている。現実にありそうもない、不自然なのれんだった。
「ここなら知り合いにも会うまいよ」
デギオンがそういうと、まったくね、とアカリアが応じている。
どうやら二人は昔の知り合いと顔を合わせないために、場末の店を選んだらしい。
ちょっと迷惑をかけている気がして、申し訳なくなった。
店に入って、店主に使用料をデギオンが支払う。ほんの5ダラーだった。これで永続的にここをニューカマーズのストーンタウンにおける拠点にできる。
「今日はもう遅いから、明日の午後にでも、石切り場へ行こうか」
デギオンの言葉にアカリアが賛成する。
「石切り場ってなんですか?」
テキストで質問すると、「危険地帯の名前だよ」とアカリアが教えてくれる。
「まぁ、たかが第2層の危険地帯だから、悩む必要もないから、安心して。草原と大差ないって」
それでもまだ僕も初心者なので、不安はある。
「さて、じゃあ、とりあえずは解散だが、坊やには用があるから、ついてきな」
「なんだ、僕は蚊帳の外ってこと?」
素早くアカリアが確認すると、「明日を楽しみにしてろよ」とデギオンは言い置いて、さっさと僕を連れてラーメン屋を出た。アカリアがアッカンベェをするモーションをしていた。
二人で向かった先はこの街の預かり屋だ。
中に入って老人のNPCに僕は携行しているアイテムから、使ってない武器と鎧をまず預け、次に緑草を5個を残して預けた。古の神酒も5個、預ける。デギオンがそう決めたのだ。
丸薬も手元に三つずつを残して、預ける。どんどんアイテムが減って、何か、心許ない思いがする。
とにかく、僕が携行しているアイテムは30個ほどに減った。
それでも当然のように、分母は「 」のままだ。
「さて、ここから先は俺も楽しませてもらうよ、坊や。結果のほどは明日、危険地帯で見るとしよう」
そんな言葉を残して、颯爽とデギオンは去っていった。
僕は改めて携行しているアイテムを見て、思わずため息をついた。
バグって、よくないよなぁ。
(続く)




