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プレイ時間:32時間〜

プレイ時間:32時間〜



 草原でプランツスレイブを待ち構えるのも面倒なので、以前、デギオンに連れて行かれた隠しエリアに行ってみた。

 穴はちゃんとあるし、階段もある。

 下りきってしまうと、変に静かで、プランツロードが出てこないのでは、と思ったほどだった。 

 しかしちゃんと、プランツロードが出現し、戦闘になった。

 一人きりでも、それほど不安はなかった。

 別に死んだら死んだでいいし、と変に開き直っている自分がいるのが、なんとも可笑しい。

 プランツロードの攻撃を背を反らす動きと体を開く動きで際どく回避する。回避すれば戦士の盾で防御して生じる耐久度の減りを無駄に甘受する必要もない。

 反撃は体力の温存を意図して、単発の突きを外さず、丁寧に当てていく。

 騎兵槍キツツキの打撃力が上がったせいか、僕のレベルが上がったせいか、プランツロードは意外に簡単に倒すことができた。

 問題はここからだ。

 プランツロードが千年樹の種を残して消えた後、周囲でプランツスレイブの大群が湧き出してきた。

 こうなってしまえば後は攻撃しなくては生きて帰れない。

 どうやら僕のレベルの上昇のせいだろう、三段突きだけでプランツスレイブ一体は倒せる。

 数を数えたのは四つまでで、後はほとんど乱戦だった。

 階段へ戻ろうとそちらへ進むけど、前方の敵を倒しても、左右と背後から押しつぶされる。

 目まぐるしくアバターの向きを変えながら攻撃を繰り出し、じりじりと逃げていくしかない。

 階段が見えた、と思った時には、どうにもアバターの足が進まず、体力が限界に近いとそれだけでわかる。

 この状態はデギオンが言った通り、パーティじゃないと無謀だったな。

 それでも階段まで躙り寄るように進み、最初の一段を上がれ、あとは後を追いかけてくるプランツスレイブを一体ずつ相手にすればいい。

 階段を後ろ向きに上がっていくのが怖いくらい遅く感じ、いつまでも終わらないのではと思わせる撤退戦になった。

 何せ、相手は無限でも、僕は一人きりだ。

 体力が一桁になり、干し肉を補給している間、ダメージを受けっぱなしになる。みるみる生命力が減る。

 鎧の耐久度はもう無視して、体力の回復の完了と同時に反撃。

 でもまた体力がなくなり、ダメージ、回復、反撃のループになる。

 何度もそれを繰り返し、やっと地上へ戻って追撃を振り切った時には、戦闘を始めてから三十分が過ぎていた。

 地上で安全を確認してから、生命力と体力の回復の前にアイテム欄をチェックする。好奇心を抑えきれなかった。

 携行に自然と追加されていた千年樹の根の数は75個。悪くない収穫じゃないか。

 いつかのアカリアのような転移を司るアイテムがないので、ここからセントラルまで徒歩で戻る必要がある。

 残り九つの干し肉からさらに二つをこの場で消費して、生命力は回復力による自然回復に任せる。

 アバターを歩かせながら、疲れを実感する一方で達成感のようなものも感じているけど、どうやら仲間がいないと、達成感も目減りするようだ。




(続く)

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