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プレイ時間:31.5時間〜

プレイ時間:31.5時間〜



 金曜日の夜まで、あと二日ある。

 ただ、春休みも終わりが近づいて、こんなにゲームに打ち込める余裕もなくなりそうだ。

 とりあえず、第2層に向かう前に、アイテムを揃えるべきか、と思ったところで、不意に気づいた。

 僕は変なバグで携行という形で無限にアイテムを持てそうである。

 では他のプレイヤーはどうしているんだろう?

 そもそもいくつくらいが上限だろう?

 このバグのことは誰にも話していないし、それはデギオンもアカリアも例外じゃない。

 ただ、推測するに50ほどは持てるだろう。

 あの穴の底で戦ったとき、大量の千年樹の根を手に入れることができたのを、二人は特に不思議に感じていないようだった。つまり、あの程度では上限にならない、と見たと思われる。

 まぁ、それ以外に50近いアイテムを僕は抱え込んでいたわけだけど。

 結局、ログインしたにも関わらず、僕は中央広場にあるベンチの一つに腰掛けて、開放掲示板をチェックしていた。

 携行できるアイテムの量はレベルとともに増えていくようだけど、数値はよく分からない。

 持ち運べないアイテムをどうするのか、と思ったら、全ての層の街に共通する「預かり屋」というものがあるらしい。

 この預かり屋に預けたものはどの層の店舗に行っても、自由に受け取ったり、さらに預けたりもできる。

 ダラーを預けることもできるようだけど、その機能は、よくあるRPGのような死亡と同時の喪失を避ける意図ではない。このゲームでは死んでもダラーは減らないから。

 預かり屋にダラーを一定額預けると、金利が発生するとわかった。それが預かり屋にダラーを預ける意味らしい。

 アイテムを預ける上限がないため、ほとんど全てのプレイヤーが利用しているのが、開放掲示板で伺えた。

 うーん、僕はいくらでも持ち歩けるから、預かり屋はそれほど必要ないだろうか。

 今は使っていないなめし革の鎧さえ、携行の欄に加わっている。

 面倒だし、いいか。

 ベンチを離れて、とりあえず回復系のアイテムを買いに行った。

 華佗の店で体力を半分回復させる「古の神酒」を1個500ダラーで10個買った。その後にキープ・フーズ・セントラルで干し肉を20個手に入れた。合わせて9000ダラーだった。

 少しくらい稼ごうか、と思うけど、結局、危険地帯に踏み込めば、体力も減るし、ダメージも受ける。

 ゲームバランス的には収支はトントンになるはずだけど、僕の場合ではそうではないらしい。まだ未熟なんだろう。もしくはゲームが下手か。

 しかしそれでも、このゲームは戦うゲームであって、ダラーを大切にするゲームではない。

 僕は思い切って、草原へ向かった。

 戦って、稼げばいいじゃないか。



(続く)

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