表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/365

プレイ時間:27時間〜

プレイ時間:27時間〜



 階段を上がる時は一列になるしかないのだけど、今度は最後尾になったデギオンは僕にもアカリアにも手を出す余地もないほど、完璧にプランツスレイブを倒していた。

 階段を上がっても、プランツスレイブは下から休みなく押し寄せる。

 デギオンの斧槍は突きの一撃で三体をまとめて消滅させ、後続を食い止め続ける。特に負担もなさそうだ。彼がダメージを受けるエフェクトは一回も発生しなかった。

 地上へ戻ると、プランツスレイブの攻撃も終わり、平穏が戻ってきた。

 僕のアバターの生命力は回復力が作用して、イエローからグリーンになっている。体力の方は赤い色のままだ。

「これ、差し入れのつもり」

 アカリアがそう言って僕の前にハンバーガーのようなものを出現させた。

 現実世界ではありえない、巨大なステーキが挟まっているハンバーガーだった。肉が大きくはみ出している。

 現実でこういう料理があればなぁ、などと思いながら受け取り、素早く消費する。僕のアバターが食事をするモーションを取っている間に、アカリアは同じものをデギオンにも渡していた。

「何が目的だったんですか?」

 食事の間はやることもないのでテキストを打つと、デギオンのアバターも食事の最中だが音声は流れてくる。

「あそこは隠しステージみたいなもので、特別な素材系アイテムが手に入る。武器を作るのにはもってこいの、純白金っていうアイテムさ」

「それを守るのがあのモンスターってことだよ」

 アカリアが話を受け継ぐ。

「プランツロードもだし、無尽蔵のプランツスレイブも。あの光る岩みたいな奴からアイテムを採集する間は、誰かしらがその背後を守らないといけない。つまりパーティじゃないと、手に入らないわけ」

 そんな設定もあるのか、と僕は唸らされる思いだった。

 食事が終わり、体力が全回復した。それだけのアイテムを、アカリアはポンと用意するんだから、やっぱり僕のような初心者とは格が違う。

 草原を横断してもと来た道を戻り、セントラルにたどり着いた。

「武器は今日作るか? それとも次の機会か?」

 デギオンが僕に確認してくれたので、少し考えて、次回には騎兵槍を一度、解体して素材系アイテムに変えておく、と返事をした。

 例の穴の底で戦いまくったせいで、ドロップされたアイテムは大量に手元にあるから、当分はこの黒字で生きていけそうだった。騎兵槍を一度、素材系アイテムに変える手数料も払える。

 ダラーを均等に分配するべきか、確認しようとしたけど、それより先に「ダラーは坊やが持ってろよ」とデギオンが言ってくれた。それをアカリアも否定しないので、結局、僕は何も言えなかった。

 次に会う約束は後でチャットで決めることになった。

 チャットをする時間を決めて、僕たちは別れた。



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ