プレイ時間:26時間〜
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風呂に入って髪の毛を乾かす間もなくログインしたのは、思ったよりも約束にギリギリだったからだ。
宿の一室でログインして、NPCアバターに見送られて、待ち合わせの危険地帯の入り口に辿り着くと、デギオンとアカリアが立っていた。武装は立派すぎるほど立派だ。
「揃ったな」
デギオンが笑みを取らせ、そして身振りで僕を誘う。
そうして三人で危険地帯に入ったわけだけど、やっぱり二人は僕にモンスターの相手をさせる。
それは経験値以上に、モーションの開発の意図があるようだ。
今の僕は化け草程度にはやられない。ただし、アバターの動きは遅いので、回避よりも防御を選んでいた。
訓練施設で追加されたモーションのうちの一つに、「堅守の構え」というものがあり、これは盾の陰に身を隠すようにして防御に徹する動きだ。
他にも、跳ね返す、というモーションもあり、これは防御と組み合わせて、攻撃してきた相手を一度、受け止めてから跳ね飛ばすことができる。
そういうモーションを一つ一つ、実践的な使い方を確認しつつ、僕はモンスターを倒し、三人で先へ進んだ。
しかし途中でデギオンはプランツロードがいる方向ではない、脇道に逸れていった。
「どこへ行くんですか?」
何度目かの戦闘の後にそうテキストを打つと、気にしなくていいよ、とデギオンが応じる。
そのうちに前方に巨大な穴が見えてきた。地面に穴が空いているのだ。
その中へ入るらしい。元からそういう設定のようで、穴を形成する絶壁には天然の階段のように岩を模した足場がある。
先頭がデギオン、次が僕で、最後がアカリア。
穴の底へ降りた時、四つほど、光る岩があるのが目に入った。
どれも金色に光っている。
「ハルハロン、これはまぁ、試験みたいなものだと思ってね」
アカリアがいきなりそう言ったので、何事かと彼女の方を見ようとしたけど、それより先に効果音が鳴った。
暗い響きで、穴の底の円形の広場の中心で、巨大な植物が生えていく。
これは、プランツロードじゃないか。
植物で出来た巨人が、巨体でこちらへ突っ込んでくる。
助けを求めようとすると、デギオンは輝く岩の一つに槌をぶつけていて、アカリアはそれを守る姿勢らしい。
僕一人で相手をしろと?
議論している暇はなかった。
プランツロードの拳の一撃を、堅守の構えのモーションで受け止める。
即座に跳ね返すと選択すると、プランツロードが後退した。
こうなってはやるしかない。
僕は使い慣れた攻撃モーションから、怒涛の攻撃を始めた。
(続く)




