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プレイ時間:25時間〜

プレイ時間:25時間〜



 今度はアカリアとの訓練になった。

「僕の攻撃を狙って攻撃するんだよ。いいね?」

 鎖鎌を器用に振り回し、長い鎖の先で弧を描いた刃が僕にヒットする。

 早いし、狙おうにも標的が小さすぎる。

 それでも騎兵槍を引きつけて、狙って単発の突きを繰り出す。

 何度も何度も即死のダメージを受け、訓練施設の仕様で即全回復するけど、また次の一撃で即死することの繰り返しになる。

 10回以上死んで、それでやっと一回撃ち落とせる程度だ。

 時間を忘れて熱中していると、テキストで「経験時間によりモーションが追加されました」と表示が出る。

 アカリアの攻撃をどうにかこうにかやり過ごしてテキストでそのことを伝えると、次に移ろうか、とアカリアが鎖だけを持って、二振りの鎌を同時に振り回し始めた。

「今度は回避に集中して。一歩後ろに下がるだけで攻撃を避けるイメージで」

 風を切る効果音が間断なく鳴り響き、どうもアカリアが加減しているようだけど、攻撃のタイミングに一歩後退すると鎌を避けられる形になった。

 ただ嵐のように鎌が繰り出されるため、タイミングがずれると、やっぱり一撃で即死だ。

 あまり熱を上げるなよ、なんて言いながら、デギオンはそばで見ている。

 ポップアップのメッセージで「あなたのレベルが9に上がりました」と表示される。ちらっとわずかにアカリアが視線をよそへやり、レベルが上がったか、と攻撃の手を休める。

 まるでそれを待っていたように、「経験時間によりモーションが追加されました」という表示も出る。

「まぁ、回避と防御はあとは実戦で試そうか」

 アカリアが武器を鎖鎌から盾に持ち替えた。綺麗な飾りのついた丸い盾だけど、洗練度では僕の戦士の盾はとても釣り合わない。一流の武器は、デザインからして優れている。当然、性能もだ。

「連続突きを間断なく繰り出す練習をしよう。とりあえず、打ってきて」

 僕のアバターが騎兵槍を構える。

 登録しているモーションから、踏み込み、二連続突き、追撃、三連続突き、という連続を繰り出してみる。

 騎兵槍の鋭い穂先がアカリアの盾にぶつかり、激しい火花が散るエフェクト。アカリア自身はほとんど下がらないので、僕の踏み込みと追撃もそれほど機能しない。

 五回の突きを受けた後、アカリアが前進し、僕のアバターを盾で打ち据えて後退させる。

「ほらほら、休まない。とにかく、こちらの動きを許さないくらい、繰り返して」

 ちょっとムッとしながら、僕は遠慮を捨てることにして攻撃を再開した。

 二連続突き、追撃、二連続突き、追撃、二連続突き。

 何発当てても、アカリアの防御姿勢は崩れない。ムキになって攻撃を継続する。

 どれくらいを続けたか、「経験時間によりモーションが追加されました」とか「経験時間によりステータスが向上しました」と表示が出ても、アカリアが動かないので、僕は訓練を続けた。

 そのうちにもう一回、「経験時間によりモーションが追加されました」と表示が出る。

 アカリアは結局、ピタリと微動だにしなかった。




(続く)

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