プレイ時間:24.5時間〜
プレイ時間:24.5時間〜
訓練施設ではプレイヤー同士の決闘という形で、模擬戦闘ができる。
実際に、プレイヤー同士が本当の決闘をできる仕組みもある。街の中でも、危険地帯でもだ。決闘で負ければ死ぬのと同じで、6時間のペナルティ。これは死者蘇生を受け付けないので、5時間というわけにはいかない。
僕はまだ決闘を見たことはなかった。
訓練施設での模擬戦闘では、死ぬことはないし、生命力も体力も回復する。武器や鎧の耐久度も下がらない。
今の僕にありがたいのは、デギオンかアカリアが相手になるけど、二人が高レベルなので、攻撃を当てたりしなくても、経験値がかなり蓄積されることだ。
デギオンが例の斧槍ではなく、質素な槍を取り出した。あの斧槍のような強力な武器で攻撃されたら、レベル7の僕は一撃で、というかかすめただけで、死んでしまうだろう。
デギオンの槍の攻撃はかなり早い。しかし彼は、突きだけをする、と宣言しているので、まずは戦士の盾で的確に受け止めることを目指した。
目指したけど、あまりにレベルが違いすぎて、戦士の盾で受け止めても、衝撃で僕のアバターが押しのけられるように後退する。
「そんなもんだよ。とにかく受け続けてくれ」
デギオンの攻撃のペーズが早くなり、それと同時に、横へ逃げていけ、とか、サイドステップを組み合わせて、とか、指示がある。その間、アカリアのアバターは突っ立っていた。眺めているのか、別のことを現実でしているのかもしれない。
10分ほどでメッセージが表示され、「経験時間によりモーションが追加されました」とある。
しかしこれはデギオンには見えないし、彼も休む時間を作らなかった。
唐突な、切りつけるぞ、という言葉の後、デギオンが槍を横に振る。
防御のモーションの位置を変えて、右からの横薙ぎを受け止める。今度はアバターが横に転がる。自然と起き上がり、武器を構える。
デギオンが大げさに槍を振り回す。
「受けてもいいが、バックステップして回避してみろ。繰り返して。いくぞ」
言われた通りにバックステップを目指すけど、槍が早すぎて、間に合わない。ダメージを受けてから後退する有様だ。
それをまた10分ほどやると、先ほどと同じ「経験時間によりモーションが追加されました」と表示があった。
デギオンは突きと切りを織り交ぜてきて、僕は戦士の盾で受けていくしかない。
攻撃の間隔が短くなり、防御の姿勢を細かく変え、防御可能範囲を振り分けていく。
それでも攻撃を受け止めるたびにアバターが大きくよろめくのは変わらないけど。
あっという間に30分が過ぎて、休憩、とデギオンが姿勢を整えた。
ちょうどポップアップメッセージで、「あなたのレベルが8に上がりました」という表示があった。
これはなんというか、促成栽培じみているなぁ。
(続く)




