プレイ時間:23.5時間〜
プレイ時間:23.5時間〜
やっぱり僕のアバターは遅い。
ダメージを受けながらもどうにか切り抜け、今回はプランツスレイブの集中攻撃はなかったので、死ぬことはなかった。
それでも祝福の雫は使い切って、仕方なく緑草を大量に消費して、それで生命力を回復させた。
干し肉もどんどん減って、あっという間に5個が消えた。
僕は戦闘になると、サイドステップを意識的にかなり多用した。
もしデギオンが言う通りながら、こういう無駄かもしれない動きも、いつかはいい方向に転がるかもしれない。
プランツスレイブが四体同時に出現し、さすがにアイテムが減っているのでこれで終わりにしよう、と決めた。
戦士の盾で徹底的に防御し、プランツスレイブの攻撃モーションの隙に単発の突きを繰り出し、そこから追撃で二連続突きを追加で当てて、倒す。
四体目が消えたとき、戦闘は終わった。
思わず現実世界でため息を吐いてしまう。
今回はこのまま死なずに済みそうだ。
効果音とともにポップアップでメッセージが表示され、「経験時間によりステータスが向上しました」と告知される。
体力、回復力も上がっているけど、俊敏性は飛び抜けて大幅に向上している。
アバターの視界が上下して、息を乱しているのを再現している。体力が減っている証拠で、現にゲージはレッドゾーンだった。
干し肉を二つ、消費して体力を回復させる。生命力は緑草でおおよそを直し、あとは回復力が作用する、時間経過に合わせた回復に任せる。
来た道を引き返し、セントラルに戻った時にはログインから1時間が経過している。
すでに生命力は回復しているけど、今度は移動のために体力が低下気味だ。なかなか兼ね合いが難しいゲームだ。
プランツスレイブをだいぶ倒したせいで、千年樹の根が22個、手元にあった。
買い取ってもらえば、4400ダラーになる。ここから干し肉や祝福の雫を買い足すことを考えると、さて、どれくらいの収入が残るだろう。
ふと、宿を利用するのはどうか、と考えた。
宿に入ると一度、ログアウトして一定時間は再ログインができなくなるけど、すでに現実の時間ではだいぶ深い時間なので、次にログインするのは明日になる。
数時間でもそれなら関係ないし、利用しようかな。
宿の一つに入ると、NPCのアバターが宿泊かを確認してくる。料金はいくつかあり、100ダラーなら再ログインまで一時間で、三時間なら50ダラーだった。
50ダラーか、思ったより安いな。
50ダラーを選択すると、NPCアバターが、次のログイン時はこの宿屋からスタートになることを確認してきた。了承すると、「おやすみなさいませ」と柔らかな声があり、画面が暗くなる。
そうしてからトップページに戻り、その中央には「睡眠中」の文字と、再ログインまでの時間がカウントダウンされていく数列。
さて、僕も現実世界で眠ることにしよう。
(続く)




