プレイ時間:21.5時間〜
プレイ時間:21.5時間〜
土曜日だけど、春休み中なのでそれほどやることもない。宿題もないし。
来週の月曜日には大洋高校で一年生のガイダンスがある。かなり緊張するけど、大洋高校に進学する中学でのクラスメイトはほんの二人だけで、きっと同じクラスにはならない。
何にせよ、今の内に遊んでおこう。
朝食の後にすぐ、自分の部屋でヘッドギアにスマホを装着し、目元を覆ったわけだけど、まずやるべきことはログインする前に情報を探すことだ。
開放掲示板で新月騎士団の情報を検索すると、無数にヒットする。
一番上にあるスレッドは「新月騎士団の伝説を語ろう Part,19」だ。
それを眺めると、今の新月騎士団は第103層を目指して、第102層のボスを攻略中だとわかる。
パーティは上限の人数が20人だから、新月騎士団はいわば指揮官の集まりだ。
パーティを合わせたものがギルドと呼ばれて、新月騎士団も無数のパーティと組み合わさってギルドを形成している。総数が100人を超えているようだ。
パーティ新月騎士団のリーダーの名前は、ジン、となっている。
TWCにおけるアカウント名は、ひらがな、カタカナ、アルファベットしか選べない。
だからシンプルな名前ほど先に誰かに使用され、使えなくなる。
ジンなんてお酒の名前でもあるし、きっと最初期から登録しているプレイヤーだろう。
レベルの詳細はわからないけど、掲示板では300を超えている、とも書かれている。トップレベルの中のトップなんだから、当たり前、なのかな。
新月騎士団の掟みたいなものを調べたけど、何もないようだ。
ただ気になるのは、新月騎士団の間での稀少アイテムのやり取りが、トラブルの元になっている、という情報があった。
ゲームのアイテムで揉めるのも馬鹿らしいけど、それは僕が初心者だから言えることかもしれない。
それに、最初から10万ダラーも持っていたのだ。もう半分になったけど。
ちょっとだけデギオンの情報を調べるけど、ちらほらとヒットするものの、詳しい情報はない。ありそうなスレッドは閲覧制限があり、それは運営からの処置のようだ。なにか罵詈雑言か、誹謗中傷があったのかもしれない。
別にこうしてこそこそ調べなくても、本人に聞けばいいか。
掲示板を閉じて、今度こそログインした。
トップページが消え、目の前にはセントラルからの世界樹がそびえている。
セーブポイントをそろそろ変えなくちゃな。
今日は特に誰とも約束がないので、訓練施設へ向かった。
(続く)




