プレイ時間:19.5時間〜
プレイ時間:19.5時間〜
プランツスレイブは波状攻撃と言わんばかりに出現したけど、デギオンもアカリアも相手にしないどころか、うまくさばいて、僕にばかり決着をつけさせる。
「TWCはね、とにかくアバターを動かすことによるんだ」
アカリアが戦いの合間に説明してくた。
「プレイヤーがアバターに繰り返し取らせる動きを人工知能だかが解析して、それがモーションとして追加される。TWCには無数のモーションがあるけど、それを使える奴は、そもそもそれを使おうとした奴、繰り返し使った奴ってことだね」
なるほど、と思っていると、アカリアが小首を傾げる。お気に入りのモーションらしい。短い髪の毛が揺れることさえも、TWCは再現する。
「なんでハルハロンは横にステップを踏まないの? 結構、初期には使い勝手がいいモーションだけど」
「あまりアバターの反応が良くなくて」
やって見せてよ、と言われたので、そのままにやってみせる。
ハルハロンがよっこいしょ、という風にまず右に移動する。僕はもう一度、入力して今度は左側に移動させた。
「そんなに遅いアバター、初めて見た」
どうもアバターには反映されないが、アカリアは呆れているらしい。
「そういう仕様なのかな。新しいバリエーションとか」
わかりませんよ、と言いたかったが、それさえもテキストを入力する必要がある。
デギオンが何をしているかと思うと、すぐそばの岩を模した構造物の前にいる。武器を横に置いて、金槌のアイテムで岩を叩いていた。
素材系アイテムを採集しているのだ。
「まあ、訓練施設じゃなくて、実戦の場で繰り返すほど、より良いモーションが手に入るから、それを意識して戦ってみて。デギオン、先へ行こう!」
「ちょっと待ってくれ、金剛石の欠片がドロップされる予感がする」
予感って、なんだ?
そうこうしていると、新手のプランツスレイブがやってきて、僕とアカリアでデギオンを守る形になった。といっても、アカリアは僕の方に誘導するだけ。
僕は横へのステップを意識して戦ったけど、遅い移動なのでそこを突かれるとダメージを受ける。しかし運良く、死ぬほどの危険はなく、全部で七体のモンスターを撃破した。
レベルがまた一つ上がって、レベル5になった。全てのステータスが向上する。
ひたすら石を叩いていたデギオンは、お目当の金剛石の欠片という素材系アイテムを手に入れて、嬉しそうだった。言葉の内容でも、声音でもそうとわかる。そんな様子にアカリアはまた呆れているようだ。
僕はといえば、緑草と固焼きパンで生命力と体力を回復させていた。
祝福の雫は温存したいし、緑草の在庫を少しは減らす気になった。
草を食べ続ける僕のアバターを見て、デギオンが「牛かよ」と言っていた。
(続く)




