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プレイ時間:14時間〜

プレイ時間:14時間〜



 セントラルでは僕のアバター、ハルハロンは元気いっぱいだ。

 生命力、体力、ともにマックス。

 さて、まずは武器を調整しないと。総合フォロー商会へ持って行く。

 持って行ったけど、NPCのアバターが今までと違う表情を作った。苦味走った表情、とでも言おうか。

「細剣、円盤盾、なめし革の鎧、は、寿命が近いようですな。買い替えをお勧めしますが、それでも修繕いたしましょうか?」

 そのテキストの後、修繕する、しない、という選択画面になってしまった。

 寿命?

 耐久度ではないらしい。

 少し慌てたので、選択をキャンセルして、一度、外へ出ていつものように開放掲示板で情報を漁った。

 出てきた情報では、すべての武具と防具には「寿命」と呼ばれる要素があり、これは修繕ではどうしようもないらしい。

 寿命が近い武器は、一度、素材系アイテムに変化させて売るか、次の武器の材料の足しにするのが定番らしい。

 今の装備は結構、気に入っていたけど、ずっとは使用できないらしい。

 仕方なく、素材系アイテムに変換する店舗を検索し、同じ職人街にある「ペガサス素材店」を見つけ出した。

 すんなりと見つかり、入店するとNPCアバターが出現する。女性の事務員風な服装をしているアバターだ。

「何をご所望ですか?」

 選択画面の中から、武装の素材化、を選択。次に持っているアイテムの素材化の選択になり、名残惜しいながら、細剣と円盤盾を選択。なめし革の鎧は記念に保存する気になっていた。

 アバターが「承りました」と笑みを見せる。

「解体に1000ダラー、いただきますが、よろしいですか?」

 了承を選択すると、何かが砕けるような効果音が鳴って、目の前に石のようなものが修験した。鈍い銀色をしている。

「二つのアイテムを解体し、「亜鉄の石」に変換しました。買取もできますが、いかがしますか?」

 買取金額は300ダラーだった。

 もしお金に困っていれば売っただろうけど、この亜鉄の石から新しい武器を作ることが頭にあった。それなら最初の武器の系譜を残せる。未練のようなものだけど。

 我ながら、系譜っていうのもちょっと意味不明か。あと、ダガーと木の盾のことをすっかり忘れている。

 結局、換金しないを選択して、素材系アイテムとして亜鉄の塊を携行しているアイテムに加えて、店を出た。

 これから行くべき場所はもう決まっている。

 デギオン武具店だ。

 問題は今日が現実世界では平日なことだ。

 デギオン本人がいれば安心だけど、もし社会人なら自然と仕事をしているわけで、店はNPCに任せているかもしれない。

 それでも行くだけ行ってみよう。

 職人街を横断し、マップを頼りにうろうろと路地を抜けると、ちゃんとデギオン武具店に着いた。

 表のドアには「営業中」という札がある。

 中に入ると、椅子に座って本を読んでいた男が顔を上げ、笑みを見せる。

「坊や、いらっしゃい」

 色々な意味でホッとしながら、僕はテキストで「こんにちは」と入力した。



(続く)

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