プレイ時間:10.5時間〜
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ログインするとやっぱり世界樹がそびえている。
この世界の中ですでに最前線のトップランカーは、100層を超えたところで戦ってるのだから、僕には想像もつかないテクニックが発揮されているんだろう。
そんなことを思っても、地道に僕は第1層の草原を行き来するしかないのだ。
危険地帯に入った途端、アバターの動きは鈍くなり、緩慢な動作で敵を探す。
草むらから化け草が飛び出してきた。
反射的にコントローラーを操作して、奇襲攻撃を防御モーションで受け流す。こうなってみては、化け草の第一撃はみんな同じ動きなのだと、理解できてきた。
反撃で二連撃を繰り出す。二発の刺突が命中する。
反撃を回避するのは諦め、防御に徹する。円盤盾で一発を弾き、入れ違うように二連撃を繰り出す。
よしよし、少しずつ飲み込めてきた。
同じ攻防を何度か繰り返すと、化け草のアバターが消滅し、経験値の表示が出る。
こちらの生命力は半分は残っている。そういえば、祝福の雫を補給し忘れていたな。でもまだ十分にある。三つを消費して、生命力を全回復させる。祝福の雫の在庫は23個。
視線を巡らせた時、視界の隅で何かが動いた。
コントローラーのスティックを倒したのはほとんど本能だった。
ダメージを受けたことを示すエフェクト。
向き直らせると、植物がより合わされて作られた人型のモンスターがいる。
プランツスレイブだ。
一撃で生命力が三割も減っている。この草原のフィールドでは強いモンスターなのは間違いない。
円盤盾で二度目の攻撃を今度は防ぐ。画面に一瞬、円盤盾に残されている耐久度が表示された。
先ほどの化け草と同じ要領で、細剣の二連続の突きを叩き込む。
叩き込むけど、ちょっと表現が合わないかもしれない。
先ほどの化け草を相手にしたような冴えが、今の攻撃にはない。
反射的に視界の隅のゲージをチェック。
一つはすでに黄色に変わっている生命力を示すバー。
その下が体力のバーなんだけど、赤い色で、残りは二割といったところ。
びっくりすることに、僕は体力切れ寸前で、それは現状ではそのまま負けを意味する。
逃げるか? でもどうやって?
戦う? でも、もう体力がない。
迷った瞬間に、プランツスレイブの一撃が直撃し、防御が遅れたための大ダメージで、僕の生命力はその一発でゼロになった。
がっかりしている僕の目の前で、視点が一人称ではなくなり、思わず天を仰いだせいで、三人称の視線は無意味に空を見上げたのだった。
(続く)




