プレイ時間:8.5時間〜
プレイ時間:8.5時間〜
まあ、夕食のための時間にちょうどよかった。そう思うことにしよう。
夕食の後にのんびり読書などして、お風呂にも入り、二十三時過ぎにWTCに再ログインが可能になった。
セーブポイントに戻り、さて、どうしよう、と少し考えた。
このまま草原に行って実際のモンスターを相手にするよりも訓練施設でモーションの習熟と、小さい経験値をコツコツ手に入れるべきではないのか。
武器の疲労の問題もあるし、僕自身、まだプレイして間がないので、モーション全般の習熟は必要。必須だと思う。
あまりダラーに物を言わせていても、いつかは頭打ちになるだろうし。
というわけで、セントラルの店を確認しながら、訓練施設へ向かう。その道すがら、食料品を売っている店が多くあるのに気づいた。
そうか、今まで回復系のアイテムの中でも、生命力を回復させることを重視したアイテムを選んでいたけど、食料という回復系アイテムもあるのか。
食料は生命力より体力を回復するアイテムで、体力の回復はそれはそれで大事、なはずだ。
全てのプレイヤーは回復力というステータスがあり、これは自然と生命力が回復する数値だけれど、回復力では体力は回復しない。体力の回復は自然とできる。もっとも、体力の低下は敏捷性と筋力の低下に繋がるから、体力の管理は戦うには重要だろう。
でも今のレベルでは、無意味かもな。一対一で雑魚モンスターとやり合うので精一杯だし。
訓練施設について、アバターに訓練相手のレベルを1に設定するように伝える。
広間の一画でやっぱり荒削りなポリゴンに見えるモンスターが出現し、僕はまずは懸念材料の回避モーションを確認し始めた。
どうしても足が遅い。どうやっても遅い。仮想のモンスターからの攻撃を回避することもできない。
簡単な動きで攻撃してくるし、見ることもできるのに、避けられないとは歯がゆいな。
こちらの仮の生命力がみるみる減って半分になると、この訓練用モンスターは攻撃を停止する。そして僕の生命力が回復すると、また攻撃が再開。
攻撃の再開は、回避の試みとその失敗の繰り返しを意味するわけで、いつまで経っても僕のアバターは機敏には動かなかった。
熱中しているうちに、テキストが表示されて、やっと時間の経過がわかった。
また同じテキストで、「経験時間によりステータスが向上しました」だ。敏捷性が25、上がっている。数値は100。
100でこの遅さとは、レベルアップを期待しないと、まともに戦えないぞ。
目的を次の段階に移す。攻撃モーションを確認し始めて、例の単発をつなげるモーションを反復した。それに慣れてきた時、また、テキストが浮かび上がった。
でも今回は少し違う。
そこには「経過時間により、モーションが追加されました」とある。
おお! 攻撃モーションに二連続突きが加わっている!
試しに訓練用モンスターに繰り出してみる。バシュバシュ! という効果音と同時に、確かに二回の突きが連続で繰り出される。
悪くないじゃないか。今日はこれくらいで満足しよう。
セーブポイントが草原の入り口のままでいいか、それとも訓練施設のそばにするべきか、迷ったけど、すぐに実戦に出たい気持ちもあり、セーブポイントは変えなかった。
ログアウトして、トップページも消した時、スマートフォンの時計は日付が変わっていて、熱中して一時間は過ぎていることを示していた。
さすがに夜更かし、しすぎたかな。
(続く)




