プレイ時間:7.5時間〜
プレイ時間:7.5時間〜
日付が変わって早朝、さて、制服を見に行く前にひと遊び、というつもりでログインして、草原の入り口に立ったものの、ちょっと思案した。
デギオンの言っていたことが気になったのだけど、重要なことだった。
武器の類の耐久度だ。ステータスを表示すると、細剣は耐久度が10、円盤盾は15になっている。なめし革の鎧は10。
つまり全部がボロボロってことになる。
このまま草原に突撃したら、全部が壊れて消滅したかもしれない。
こうなると10万ダラーの当選は大きいなぁ。
元手には困らないので、開放掲示板で検索をかけまくって、セントラルにあるNPCの修繕職人に当たりをつけた。安価で、仕事も早いと掲示板にあった。何より、NPCならやりとりが簡便に済む。
セントラルの中でも商店が多い大通りとは反対側に、職人街とでも呼ぶべき一帯があった。
目当ての店「総合フォロー商会」は、小さな店構えで、建物自体もどこか古びている。デギオンの店の雰囲気ともまた違う。
中に入るとすぐにアバターが応対するので、武器の整備、というのを選択した。
アバターが不自然な笑顔で武器を預かる旨を告げるけど、預かるというのはどうやら様式美のようなものらしい。ほとんどタイムラグなしに費用が請求される。
細剣が300ダラー、円盤盾が150ダラー、なめし革の鎧は200ダラーだった。
ぼったくられている気もするけど、この店はNPCの店だから、公式のはずだ。他を当たって値段を確認しようかな、と思ったけど、時間が惜しいのですぐに了承を選択した。
NPCのアバターがうやうやしく頭を下げ、その顔が上がった時にはポップが浮かび上がり、三つのアイテムを修繕しました、と出てくる。やっぱり預かるというのは言葉だけなのだ。
アバターに見送られて通りへ出て、念のためにステータスを確認した。
三つとも、元の耐久度に戻っている。
これで後顧の憂は絶った、という感じかな。
すぐさま草原に行って、モンスターの一体でも倒したいけど、HMD代わりのスマートフォンの画面にスケジュールに登録しておいた予定の表示が出る。
制服を見に行かなくちゃ。
セーブポイントをそのままにログアウトして、トップページも消してからヘッドギアを外す。
目がチカチカするのを瞬きを繰り返してやり過ごし、メガネをかけた。
これは次のログインが、俄然、楽しみになったぞ。
(続く)




