プレイ時間:6時間〜
プレイ時間:6時間〜
前回のログアウトの時に、時間を省略するために草原への入り口に近い場所をセーブポイントとして設定していたので、目の前に世界が広がるのと同時に、壁のように世界樹が出現した。思わず頭上を見上げてしまった。
さて、気を取り直して、行くとしよう。
まずは武装として細剣と円盤盾を選択。なめし革の鎧は普段から付けている。
次に装備として、祝福の雫を三つと緑草を四つ、装備した。
これで今はいっぱいだ。もっとアイテムを整えてレベルが上がれば、変わるだろうけど。
一度、深呼吸するけど、それは僕の現実の肉体の行動であって、アバターはわずかに顔を上下させたくらい。
そのまま気合を入れて、僕は危険地帯に踏み込んだ。
やっぱりアバターの動きは鈍い。俊敏性が50でこれとは、先が思いやられる。
カッコよく、鮮やかに敵を倒す時は当分、やってこないかもしれない。
草原には、近くに他にプレイヤーの姿はない。遠くに見えるけど、四人ほどで固まっている。
僕としては、早く弱いモンスターと遭遇したかった。できれば化け草がいいな、という甘い考えで適当に草むらに飛び込んでは出たりを繰り返した。
そうすると本当に、草むらの一つから化け草が飛び出してきた。
予想が的中しすぎて、むしろ慌てたけど、コントローラーを素早く操り、円盤盾で防御の姿勢のモーションを起動。
化け草が盾に跳ね返される。
今度は攻撃のモーションを選択。細剣での刺突だ。
一撃目は外れる。化け草のヒット判定される範囲が小さいのもあるけど、それよりもこちらの攻撃可能範囲が小さすぎる。
よく狙わないと。
反撃を防御モーションで弾こうとするけど、対応できない。
効果音とともにエフェクトが表示され、僕の生命力が二割、減る。
化け草が連続攻撃。今度は円盤盾で受け止める。
ほんの数回のやりとりなのに、僕のアバターは体力がみるみる減り、それに合わせて俊敏性も下がっていく。筋力もだ。
このゲームでの鉄則は、速攻にあるのかもしれない。
細剣で攻撃モーション。化け草にヒット。化け草の生命力のゲージが三割ほど減る表示が一瞬だけ、出た。
それから反撃を受けているうちに、僕の方の生命力も削られていった。色が緑から黄色、そして赤へ。
一時的に防御に徹して隙間の時間で祝福の雫を使用。一つじゃ足りないので、もう一つ。
でもその間にも攻撃を受ける。
結局、思い切って防御を捨て、攻撃モーションを選択するしかなかった。
生命力を削り合う攻防は最後、僕が死ぬ、という形で決着がついた。
視点が三人称になり、僕が仕留め損ねた化け草は草むらに消えた。
またこれか。
一時間の猶予時間と、五時間のペナルティ。
誰も来ないよなぁ。
結局、三十分ほどぼんやりと周りを眺めていて、虚しくなったのでログアウトした。
まったく、今日は厄日らしい。
(続く)




