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プレイ時間:103時間〜

プレイ時間:103時間〜



 僕は一日のゲームをする時間が無制限になりそうなので、パーティメンバーに、一日、二時間にしたいと確認した。

 その二時間も、半分はみんなと遊ぶけど、あとの半分は自由にやりたい、という内容で、受け入れてもらえるかは微妙だった。

 デイロードが、ハルハロンの戦力は必要だけどなぁ、と言ったけど、そこにヴァルナヴァルが口出しして、「俺たちの方が逆に必要にされるようになろうぜ」と場を落ち着かせてくれた。

 この日から始めることになり、しかし最初から、密林を攻略することになった。

 これはデイロードとガルケスの意見で、アンリーとユンリー、ヴァルナヴァルが反対する理由はない。

 僕たちは手分けして回復のためのアイテムを確保し、すぐに密林へ繰り出した。

 ジャイアント・タイガーや、巨大な鳥であるシルバー・イーグルの群れをどうにか切り抜けて、密林の奥にある神殿にたどり着いたのは、危険地帯に入って30分ほど後のことになる。

「で、ボス、ここのボスはなんだい?」

 神殿の中を進みながら、ヴァルナヴァルが訊ねてくる。通路を抜けていくところで、篝火で周囲は薄暗い。

「アシュラム、という名前の石像だよ」

 僕は記憶をたどって説明した。

「3つの頭と、6本の腕がある。人型だけど、動きは素早い。あと、蛇を使役して、これがうるさい」

「対処法はあるんだろ?」

「頭を一つずつ潰すしかないよ。頭を潰さないと、回復する」

 ややこしそうだな、と内容とは裏腹に軽い調子でヴァルナヴァルが言う。まったく気にしていない、安心しきっている調子が、やっぱり可笑しい。

 自分が一番弱いのに。

 そう言ってやろうとしたその瞬間、篝火の陰からモンスターが飛び出してくる。奇襲の効果音が鳴る。

 でも僕が予見していたので、騎兵槍を突き出し、そのモンスターを一撃で倒した。

 蛇のアバターが転がり、消える。アイテムがドロップされる。「白蛇」というアイテムだった。意外に高い値で売れるアイテムである。

「この通路は奇襲が多いから、まあ、気を抜かないように」

 先に言えよ、とヴァルナヴァルが言った時には、次の蛇のモンスター「シャドー・スネーク」が飛び出してくる。今度はさすがにヴァルナヴァルの剣がそれを迎撃する。

 一撃では倒せないけれど、シャドー・スネークは攻撃モーションが少ないので、逆に攻撃でそのモーションを潰せば、ゴリ押しで倒せる。

 この通路の意図は、プレイヤーの生命力を削るというよりも、体力を減らすことにあるし、もっと言えば集中力も試される。

 シャドー・スネークを二十体ほど倒してから、一人も欠けずに通路の終わりが見えた。

 体力を回復し、装備も確認し、僕たちは誰からともなく、頷き合った。

 そうしてボスがいる広間に駆け込んだ。




(続く)

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