夜音.
微妙にグロテスクです。
読んで不快になったらごめんなさい。
夏休みも終わりに近づいたある日、
僕は1日中パソコンの前に居た。
朝からずっと調べていたあのサイトは、もうすでに130ページを超えていた。
静かな室内に響き渡るクリック音。
「本当に見つかるのかよ。」そんな不安さえ。
134ページ目。僕は目的のサイトを見つける。
某掲示板で見つけた、夜音.というサイト。
闇市場のものも結構出回っている幻のサイトなんだそうだ。
背景は白。文字色は黒。
外見は、いたって普通のどこにでもあるようなサイト。
僕は、そのサイトの右上に、“裏夜音”という言葉を見つけた。
―クリック。
2回クリックすると、もやぁっと霧のように開いた。
まるで脅迫文。新聞紙を切り抜いたような文字で、
「ID パスワード」と文字が出てきた。その下には白いマス。
このIDとパスワードはもう手に入れた。
慣れた手つきでマスに文字を打ち込む。
開けてはいけない扉を開けてしまったような、微妙な罪悪感に
後ろ髪を引っ張られながら、僕はENTERキーを押した。
カシャッ。独特な音とともに、また、もやぁっとサイトが開く。
背景は黒。文字は赤。やっぱり脅迫文みたいな文字。
踏み込んではいけない。
そんな気がした。
左側には、ずらっと並ぶメニュー。
麻薬。毒薬。ナイフ。銃。電気関係。・・・・・
見て分かる犯罪の言葉。
僕は、一番下の、「予言」というところをクリックした。
この予言フォームは、書き込むと必ず叶うと呼ばれている。
この世で人を憎む人は多い。
半分以上が相手を傷つけるだとか、殺すだとか、
そんな言葉ばかり。
ぼくもそんな人間の1人だった。
書き込む。嫌いな人間の名を。
選択肢があった。「傷つけるor殺す」
もちろん・・・殺す。
いつのまにか、僕の顔は、喜びで満ちていた。
笑顔があふれ出してくる。
このサイトは、IDを送信すると、メールアドレスも同時に
送信される。殺した後のその人の画像が送られてくる。
それで確認をしよう、というシステムなのだ。
5分後。僕のケータイの着信音が鳴った。
殺されていた。苦しみもがいた痕。
沢山の血。引ん剥いた目。
たまらなく気持ちよかった。
僕はどんどん夜音にハマっていった。
書き込む。人の名前を。時間を空けないで。
絶え間なく響く着信音。
毎日。毎晩。寝ないで。
ああ、こんなに気持ちがいいものなのか。人を殺すのは。
バレずに殺すのは、とても気持ちがよかった。
気付けば100人以上殺していた。
100人死んで、100通りの死に方だった。
ただ、共通するのは、苦しみもがいたと言うこと。
―気持ちがいい・・・。
支配されていた。心も体も。
全て。もうゼンブ。
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「いやぁー、酷い殺され方だなー。」
現場には、警察。孤独な空間に、取り残されたのは“僕”の姿。
自分を見失ったような、虚ろな眼差しで、一点を見つめる。
僕は死んだ。
夜音の管理人に殺された。
100人以上を殺した、100通りの殺され方で。
100回死んだ。
止めを刺さずに、殺す間際で、止める。
それを100回やる。
最期は飢餓による飢え死にだった。
孤独な空間で。たった一人で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
文章は下手で読みづらかったと思いますが、
本当にありがとうございました。