暴かれた真実
空はどんどん暗くなり、雷の音も近付いてきた。それと一緒に何かが近づいて来る。
そして、玲奈の背後に誰かが立っていたかと思うと、玲奈の本が取られていた。赤茶けた和綴じの本は、青い石が填められた黒い本に変わっている。
玲奈が振り向くと、そこにはあの時の死神が立っていた。死神が発する気配で玲奈は狂気に陥り、目の色が赤く染まる。
「死神…、どうしてここに居る?」
死神は、仮面越しに玲奈を睨みつけた。
「これで終いだ、もうお前らは用済みなんだよ」
死神の口調は冷たく、玲奈の狂気にも動じていないようだった。
玲奈の周囲の『風』は乱れ、荒れ狂っている。梨乃と勤は玲奈を止めようとしたが、風が強く、近づけない。
「梨乃、死神ってどういう事?」
風に飛ばされそうになっている香澄が、梨乃にそう問う。それを梨乃の代わりに守が答えた。
「人と似て非なる存在だ、僕達の事をいつも見張っている」
守は死神について何か知っているらしく、二人に近づこうとしたが、近づけないでいた。梨乃はお札をポケットの中から取り出そうとしたが、『風』が乱れている最中は攻撃が出来ない。
皆が止めようとしているのに気づかず、玲奈は死神にこう問い掛ける。
「死神め…、何がやりたかった?」
「別にお前らに言う事じゃないだろう?」
死神は本を玲奈の目の前に持った後、ローブの中にしまった。
そして、死神は振り向いてその場を立ち去ろうとする。それを玲奈は指差してこう呟いた。
「あいつの、死神の正体は…、智君だ。」
それを聞いた次の瞬間、死神は振り向いて鎌を取り出し、玲奈を紫色の斬撃で斬りつけた。その衝撃で玲奈は気絶し、暴風がぴたりと止む。
「玲奈ちゃん!」
死神は何食わぬ顔で消え去ろうとしたが、勤がそれを追い掛け、胸ぐらを掴んだ。
「お前…、死神が何か分かってないようだな。」
「ああ…何か分からないさ、ただ、俺はお前のやり方が気に食わない。何処かでコソコソして、俺達には何も知らせないで、一体何がやりたかったんだ?!」
勤はもう片方の手を伸ばして、仮面を掴んだ。
そして、勤が力ずくで死神の仮面を外して、その素顔を見ようとすると、そこには智の顔があった。目の色が紫色に輝いているが、間違いない。
「智…?お前何やってるんだよ?!」
智も一瞬驚いた顔をしていたが、勤が仮面を外した勢いで転んだのを見て、嘲るように笑った。




