表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/40

夢に閉じ込められた人々


 玲奈達四人は、香澄が入院している病院に辿り着いた。竜神は既に辿り着いているらしく、空には黒雲が渦巻いている。



 玲奈が病院の中に入ると、どういう訳か人が居なかった。香澄の病棟に入ると、香澄が眠っている。梨乃が揺さぶっても、お札を貼っても、目を覚まさない。


 玲奈が他の人の病棟に入ると、その人も眠っていた。その人に付いている医者も眠っている。どうやら、病院に居る人全員が眠っているらしい。



 玲奈がどうやって目を覚まそうかと考えていると、梨乃がこんな事を言った。

「『夢渡(ゆめわたり)』って知ってる?」

玲奈は茂と瞬の話で聞いた事があった。この能力を使うと、他人の夢に入り込んで、干渉する事が出来るのだそうだ。夢に関係する能力を持つ者はその能力を持っている事が多いのだそうだ。

「私の曾祖父さんがその能力を持ってたの。もしかしたら、私も使えるかもしれない。」

梨乃の曾祖父である風見進蔵は、夢渡と予知夢の能力を持っていた。進蔵よりも梨乃の方が持っている霊力が大きい為、梨乃は使えると思ったのだ。


 夢渡を使うには、まず自分が眠らなければならない。梨乃は霊水晶の数珠を持って、香澄の部屋の椅子に座った。眠りにつく直前、梨乃は二人に霊水晶を手渡した。

「何かあったらこの霊水晶が護ってくれるから」

そして、梨乃はすぐに眠ってしまった。動かない二人の横で、智は窓の外を見て、慌てて駆け出す。

「智君!何処に行くの?!」

智は急に何かを思い出したように、病院を飛び出して、何処かに行ってしまった。追いかけようにも、二人では追いかけられない。

「梨乃さんが眠っている間、俺達は何も出来ないな」

「うん、何かあったらこの霊水晶が護ってくれるらしいけど…」

玲奈は梨乃がくれた霊水晶を見つめた。




 梨乃は夢を渡り、香澄の夢に入り込んだ。夢の空間の中は、シャボン玉のようになっていて、その中に眠った香澄が閉じ込められている。よく見ると、香澄以外の人々も、その中に閉じ込められ、その空間が繋がっている。

「眠り続けている人の夢は、数珠繋ぎになって、竜神に繋がっているようね」

数珠繋ぎになった人々の夢を通じて、竜神は力を得ているようだ。人々を目覚めさせるには、その繋がりを絶たなければならない。

「『旋風砲』!」

梨乃は周囲の『風』を集め、夢と夢の境目にぶつけた。すると、夢は途切れてバラバラになっていく。

「『瞬風華』!」

そして、梨乃は眠っている人に向かって御札を投げた。夢の中だからか、どれだけ御札を投げてもすぐに手の中に戻る。それを使って梨乃は全ての人を夢から目を覚ます事が出来た。




 そして、全ての人の目を覚ました梨乃は、玲奈達が居る現実世界に戻って来た。

「ただいま、戻ってきたよ」

「お帰り、梨乃姉ちゃん」

玲奈は本を開いて、今までの事件を振り返っていた。

「本に書いていたのは…、少女が神隠しに遭う、人々が怪に攫われる、竜神によって夢の中に人が閉じ込められる、後は…、」

「もう、これで終わりよね?」

梨乃は椅子に持たれ掛かって、休憩しようとしたが、玲奈がそれを止めた。

「まだ事件は終わってないよ!急がなきゃ、でないと更に大変な事になる…」

「智もどうなったか分からないからな!」

玲奈達三人は、急いで病院の外に出て、次の異変が起きた場所へと向かって行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ