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全て解決?


 そうして、玲奈は本に書かれた七つの事件を解決した。だが、何も様子は変わらない。この本の事も分からないままだった。

「七つの事件を解決しろって、智が言いだしたんだろ?」

勤はそう言うが、智は黙っている。まるで、それは自分が言い出した事ではないと考えているようだった。

「玲奈ちゃん、その本ってまず何処で拾ったの?」

「えっと、誰かにぶつかってそれを拾ったの」

「持ち主は返してって言ってないのよね?」

「うん…」

最初にその本を拾った時、玲奈は持ち主に返そうとしたが、その持ち主は何も言わなかった。 


 あれから、玲奈は毎日同じ通学路を通っているが、それらしき人には会えていない。

「そういえば…、私が拾った時に表紙が変わったの。だから、持ち主の人も分からないのかも」

「表紙が変わった?」

「うん…」

玲奈が持っている本は、今は茂が持っていた本と似た赤茶色の和綴じのものになっているが、元々は青い石が填められた黒い表紙のものだった。

 だが、玲奈の目の前で起きた事を三人に説明しても、三人は信じてくれない。

「そんな事あるのか…?」

「分からない…」

探偵団の四人はその後も本の事について、色々予想を立てていたが、急に智が立ち上がってこう言った。

「急用が出来たので、僕は帰るよ」

「智君?」

智は、玲奈達三人を置いて一人で帰ってしまった。余程の用なのだろうか、珍しく走って帰っている。玲奈は、智の事を心配に思いながらも、梨乃達と続きの話をした。



 本の事以上に、梨乃は卓に言われた死出山の事を考えていた。そこで、梨乃は二人にこう言った。

「今度の週末、瞬さんと一緒に死出山に行こうと思ってるの」

「死出山に…?清蓮さんの事で?」

「それもあるけど…、ちょっと気になる事があってね。玲奈ちゃんと勤君もいいでしょ?」

「私達は良いけど、智君はどうだろ?」

「私から連絡しておくよ」

梨乃は、なるべく四人揃って死出山に向かいたいらしく、智の事も仲間外れにならないようにするとの事だった。

 そうして、探偵団の四人は次の週末に死出山に向かう事になったのだ。




 家に帰った智は一度荷物を置いて、別に用意していた荷物を持って再び外に出た。そしてバスに乗り、一人で目的地に向かう。

 智が辿り着いたのは、香澄が入院している病院だった。智は、看護師の案内で病棟に向かい、扉を開ける。


 病棟で一人ベッドに居る香澄は、何処か寂しそうだった。そんな香澄の横に荷物を置いて、智は隣に座る。

「まだ思いだしてくれませんか…?」

香澄は窓の外を見て、こう言った。

「梨乃達と一緒に探偵団やってるのよね?」

智は今梨乃の話が出る事に驚いた。

「どうしてそれを…?」

「私は梨乃と昔から仲良かったの、言ってなかったっけ?」

「いや、初耳です…」

智は香澄と一緒に居ても、香澄が中々自分の事を聞いてくれない事にずっともどかしさを感じていた。


 実は、智はこちらに転校した時から、ずっと香澄の所を訪ねている。智は、初めて会った時から、香澄の事を昔からの知り合いの様に感じていたが、香澄は智の気持ちに全く気づいていない。

「思いだしてくれなくても…、僕が絶対に香澄さんの事を守りますからね」

智はそう言って、香澄の手のひらに小さな水晶玉を載せた。その水晶玉には、紫色の光が入っている。

「これは…?」

「僕が造ったお守りです。これがきっと香澄さんを助けてくれるはずです。」

香澄は、戸惑いながらもその水晶玉を木箱の中にしまった。



 そして、智は病院から立ち去った。香澄が、まだ智の事を本気で相手していないのはずっと気になっているが、それでも、智は香澄の事を想い続けている。

「絶対に、香澄さんは死なせないから」

そう呟いた智の目は一瞬、紫色に輝いた。

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