表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/40

逆襲2

現れた彼女を前にしてそこにいた者たちは思った。


「えっと、どちら様ですの?」


 イリエナのその一言は彼女の精神へと悲痛な攻撃を与えた。

 

「私の名前は松クリスティーナ! 覚えて死ぬといいっすよ!」


 弓矢がイリエナに襲いかかろうとしたが弓矢を弾いた氷の矢。

 氷の矢の出先を松は睨みつけた。

 そこに幼い一人の少女がいた。


「あなたがジンノがご執心の悪魔っすか?」

「ジンノ? 誰のことですの?」

「あははは、なんすか!? 相手の名前も知らないとか笑えるっすね」

「なるほど、彼メフィストフェレスの本名ってところなのね。なら、知る必要もなかったですわね」

「アタイ、嫌いっす。あんたのこと」


 イリエナとイリスは並び立ち、互いに目くばせを行う。


「イリス、助かりましたわ」

「いいの。それよりもお姉ちゃんあの人のことどうすればいい?」

「あなたの力でどうにか足止めをしてくださいまし。その間に私が特攻を仕掛けて能力で昏倒させますわ」

「わかった、やってみる」


 二人の作戦案が決まった。

 相手はその二人の相性の良さをあまり快く思わない。


「なに、人様を無視しているっすかぁあああ!」


 連続射撃。

 彼女による連続して撃ちだされた矢が二人に三度襲うが氷の盾が出現して矢をすべて防いだ。

 氷の盾を出現させたイリスは疲れた表情を浮かべる。


「お姉ちゃん、少しだけ効力を持たせるからあとはお願い」

「わかっていますわ!」


 氷の盾から続けて出現した巨大な腕。

 それは拳を作って氷の巨大な鉄拳が松を殴り飛ばす。

 殴り飛ばされた松の身体が凍結化を始める。


「チッ! さすがはソロモンの悪魔っす!」


 苦悶の表情で地面へとうまく着地したが足場は急な光を生み出した。


「コレはっ!!」


 急な暗闇が松を支配する。

 混乱する松。

 周囲に腕を振るう。


「どこっすか! どこにいるっすか!」


 実際に松は暗闇に支配されたわけではない。

 松は毒という効果的な要素を受け、視界を奪われていた。

 一瞬で松の目には暗闇にしか見えない。

 対して、彼女を傍観するような立ち位置でイリエナたちは見るだけだ。


「これで、彼女の足は止めたあとは――」


 振り向けばそれは遅かった。

 メフィストフェレスが二やついた顔で彼の身体を祭壇の中央に置いていたのだ。


「遅かったですね。よくやってくれましたよマツ。これで、我が目的は達成する!!」


 彼を中心にして祭壇画輝くと、宮永桜と雪菜の苦痛に呻く嬌声が響いた。

 イリエナは自分の耳も疑うもう一人の苦痛の声を聴いてしまう。


「ウクゥウウウ!」

「え……」


 それは自分の妹、イリスの嬌声だった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ