そのよん
入れ違いに男性が一礼をして入ってきた。
「この人は、執事のスティーブよ。ねぇ、スティーブ。この小さな魔法使いさんを泊めてあげたいのだけど、良いわよね?」
「えぇ、勿論ですとも。このスティーブ、心よりおもてなし致します。」
老齢の男性は恭しく再度一礼をする。
「え、泊めて頂けるのですか?・・・とても、有難いお言葉ですが、今の私に返せるものがありません。」
「良いのよ、そんなこと。こんな小さな子供を途中で投げ出す方がおかしいわ。」
「しかし・・・。」
「うーん。じゃあ、空いている時間は私のお話の相手をして欲しいわ。魔法使いさんのお話なんて聞く機会は無いのだし。とても、楽しそうだわ。」
ベットに座っている私の両手を取り笑顔で語り掛けてくれる。とても優しい人。その姿にまたしても涙が出てくる。
「あらあら、不安だったのね。大丈夫よ。貴女が元の居場所に戻れるまで面倒見てあげる。なんだかんだ言ってウィルも世話好きだから心配ないわ。」
「ありがとうございます。そう言って頂けるととても有難いです。」
「これから宜しくね小さな魔法使いさん。あ、改めて自己紹介しましょうか。私はリコリス・ヘッドフォート。リリィと呼んでね。さっきの無愛想なのは、ウィリアム。無愛想なのが通常だから気にしなくて良いわ。」
肩をすくめながら呆れたようにウィリアムさんのことも紹介してくれた。
「さてと、そろそろお昼ご飯の時間よね。スティーブ、ビビちゃんに合う服ってあったかしら。」
「えぇ、リコリス様のドレスでしたら昔のものも残してありますので、そちらを使用してよろしければ。」
それから、あれよあれよという間に綺麗なドレスを着ていた。フリルをふんだんに使われており動きにくさはあるが女の子なので心が踊る。
それから、スティーブさんに連れられて食堂へと向かう。