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オリジョンの家のおやつ

『ほら、ご挨拶なさいな。』


食堂に行くと、兄嫁が、子供に挨拶を促している。


『こんにちは。

ぼく、アランです。

オリジョンおじさんの、およめさんですか?』


『えっ?

お、お嫁さんじゃないけど、将来なるかも?

みたいな、えっと、そのう、オリジョンくぅん!』


俺の背中に隠れてしまったリン。

うん、可愛いじゃないか。


『ほら、アラン。

座っておやつにするぞ。』

『はあい。』


『今日はお店の試作品なのよ。

皆さん、意見をお願いしますね。』


そう言って、兄嫁が多種の食べ物を並べて行く。

その種類の多さと珍しさにリンたちは目を丸くする。



『飲み物も種類がありますから、なるべく全部試して下さいね。』


これらも皆、俺が食べたくてコッソリ作ってたモノを見つけられて披露させられたんだよな。

俺がコソコソしていると、金になる事だと思うんだな、うちの家族は。


俺は大事になるのが面倒だから、コッソリ楽しみたいだけなのにな。

まあ、家族に食べさせるのは、やぶさかじゃないぞ?

美味しいって喜ばれるのは嬉しいものだからな。


ただ、それをレシピにして王都の店に売るのが何だかな、と思うんだ。

だって、前世の記憶でそれらしいモノを作ったってだけで、俺のオリジナルじゃないからな。


でも、まあ、俺の名前は出さないって事で商品化は了解せざるを得ないんだけど。



『え、甘~い!

美味しい!

何これ、どうしよう!!』


うん、リンは頬っぺたが落ちそうな、蕩けた顔だな。

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