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オリジョン、学校の遠足に行く5

『ふあ、暖かい。』


山小屋のストーブの前で、同級生のリンと二人、暖をとっている。

小腹が空いてたんだった、とリュックを漁り、クッキーを出した。


『良かったらどうぞ?』


『え、美味しそう。

オリジョンくんのリュック、凄いね。

何でも出てくるし、あの雨のなかでも濡れてないし。

私の持ち物は全滅だよ。』


『雨がきそうだったから、防水の袋でくるんでおいたからね。』


『雨がきそうだったから?

雨降るって分かったの?』


『うーん、分かった訳じゃないけど、匂いがしてたかな。』


『はあ?匂い??』


『うん。

雨の前の匂い。』


『匂いって、あなた、犬じゃあるまいし。

はっ!今、私、臭い?!』


『へ?

別に臭くないけど、どうして?』


『だって、汗かいたし、雨に濡れたし、、、。』


『それ、俺も一緒だよ。

ズボンは跳ね返りで濡れて生乾きだな。』


『あ、ごめんなさい、私が着替え借りたから。』


『そこ、気にする所じゃないからね。

リンは全身ずぶ濡れだったけど、俺は雨ガッパ着てたからズボンの裾だけの話なんだから。


ところで、キミは何で道から逸れたの?』


『え、お、オリジョンくんは何でこっちに来たの?』


『昼寝するため!!』


『は?!』


『だから、昼寝の場所を探そうと思ったんだよ。

授業中は寝る事にしてるんでね。』


『昼寝?

まったく、オリジョンくんらしいね。』


『だろう?

リンの方の理由、言いたくないなら無理に聞かないけどさ。

でもこんな山で独りになったら、何が起こるか分からないんだし、良く考えて行動しな。』


そう言って、ちょっと昼寝する事にした。


『オリジョンくん、有り難う。』


リンのか細い声が聞こえた。



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