オリジョン、学校の遠足に行く3
先ほど見かけた地点から、程なく行った所に彼女はいた。
バケツをひっくり返したかのような豪雨の中、急速に体温を奪われカジカンでしまった指でリュックの中身を取り出そうとしている。
が、それは上手く行ってるとは言い難かった。
俺が駆け寄って傘に入れてやると、驚いて大きな瞳をより、見開く。
この娘の名前はえっと、リサ、リタ、リナ、リカ?
うう~ん、あ、そうだ、リンだったかな?
『リン?
雨宿り出来る所に行こう!』
雨音でかき消されないよう、若干怒鳴るように喋ると、通じたようで頷いた。
この山には以前来た事があった。
確か、もう少し行った所に、山の休憩小屋があった筈だ。
今は屋根があるだけで有り難い。
『リン、着替えは?』
ああ、あっても濡れていて使い物にならないかな?
防水の袋でくるんであれば良いけど。
小屋に到着し、濡れ鼠の彼女に聞くが、案の定首を振る。
俺はとりあえず、乾いた手拭いを渡した。
う~ん、俺の服でも着替えに渡した方が良いのかな?
手拭いで頭や顔を拭っているけど、乾くには程遠いし、寒いのか震えて唇も紫色だ。
あ、良く見たら、濡れて肌に張り付いている服が透けて下着の線が丸見えだ。
やっぱり着替えてもらうか。
『これ、俺ので悪いけど着替えて。』
『でも、、、。』
『透けてるよ。』
『えっ!やだ、見ないで!!』
『俺、台所にいるから終わったら呼んで。』
簡易的だけど、台所があるのでそちらに行った。




