オリジョン、学校の遠足に行く1
『お兄さま、今日は遠足なんですから、ちゃんと準備をするように言っておいたでしょう?
なのに、何でその格好なの?!』
キャサリンは、今日も朝から元気だ。
『そんな動きにくいズボンにサンダルなんて、長く歩けないじゃないの。
体操の授業の時の服と、この登山ブーツにすべきです!
リュックの中身も、何、これ?
枕はいらないでしょ!!
昼寝に行く訳じゃないのよ!!』
うん、キャサリンは元気だ。
外で昼寝するのに枕、欲しいんだけどな。
まあ、今回は諦めるか。
俺はモソモソと、妹の指示した通りに着替え、中身を入れ替えたリュックを背負う。
遠足なんて怠いな。
腹痛くなったって言ってサボるかな。
でも、言い訳するのも面倒だし、いつもの通り、キャサリンに連れられて行ってくるとするか。
学校全体での遠足だが、基本クラス別で固まって行動するので、キャサリンとは離れる。
ほぼ寝ているだけの俺にクラスの友達は居ない!(別に淋しくなんてないぞ、うん。)
何となく集団の後ろから付いて行ってると、横道に逸れてった女が見えた。
ん?トイレ我慢出来なくなった訳じゃないよな?
独り離れて大丈夫なのか、あの娘?
なんとなく気にしながらゆっくり進むが、戻って来そうにない。
そのうち、どんどんと皆は離れて行き、教師も気付く様子はなかった。
ああ、そうか!
独りでバックレて昼寝するつもりだな!!
よし、それならば、と俺もこっそり道を離脱した。
昼寝だ、ひゃっほ~い!!
あ、枕持ってくりゃよかったな。




