長女のサンドラ姉さん
長女のサンドラ姉さんが、結婚する事になったらしい。
領主様の甥の、ジダン様に見初められたそうだ。
ジダン様は貴族と言っても、領主様の弟の子供だ。
なので、平民から娶っても、問題がないみたいだった。
『婚礼衣装は、どうしましょう。
一度、王都のデザイナーを訪ねるべきかしらね?』
さすがのお母さんも、浮き足立っているようだ。
『おにいちゃん、おひめさまのえ、かいて!』
妹のキャサリンがねだってくる。
最近は、お絵描きがブームのようだった。
俺は前世の記憶を掘りおこし、ビラビラがいっぱいついたドレスやら、スッキリしたAラインのドレスやらを描いてやる。
女の子の顔がお目目パッチリのアニメ顔なのは、ご愛敬だな。
おっと、手足が細長くて、胸をちょっと強調させすぎたかな?
まあ、キャサリンが喜んでいるから良しとしよう。
『お母さん!
オリジョンはデザインも出来るの?!』
サンドラ姉さんが、こっちを指差して震えている。
『ただのいたずら書きでしよう。』
そう言いながらも、二人で俺の絵を見にくる。
『オリジョン、他のドレスも描いて下さる?』
サンドラ姉さんが怖かった。
俺に絵の才能は無いんだよ〰️〰️!!
その夜、俺は発熱してうなされた。
きっと、知恵熱だ。




