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この村の困りごと

村へ戻った俺たちは 相変わらず人っ子一人見えない村を散策する

「それにしても、誰もいないなぁ いくら辺境の村って言ったってもう少し人はいるもんだろ」


「桜木さん 辺境の村って言い方は失礼ですよ

ほら、あそこに明かりのついた家が」


コトヤマが指差した方角を見ると、たしかに明かりがついた家が存在する


「でも妙だな こんな時間に、明かりなんて普通つけるか?」


「隣の家の陰で暗くなってるからじゃないですか?ほら、せっかくの第1村人チャンスですよ!」


そう言って、コトヤマは明かりのついた家に向かって駆け出していく


その家は、趣があると言えば聞こえはいいが、率直に言えば、オンボロな家屋だった、家の玄関口は、横開きのタイプでその横に窓があった、窓からは、ランプだろうか 暖かい光が漏れ出している


「すみませーん。ごめんくださーい」


俺たちは戸を叩き、呼びかけてみるが反応はない。留守なのだろうか?


俺達は再度呼びかけ、反応がないことを確認すると、試しに戸を開けてみることにした


ギィーギィー

戸は、木々が擦れ合うなんとも不快な音を響かせながら、開いた。


戸を開けると、そこには テーブルがあり、朝食だろうか? 湯気が立ったままのスープ 魚の焼き物 ごはん 漬物などが、置かれている


「あれ?少し前まではいたみたいですね 」


コトヤマの発言通り 少し前まで、ここの住人はここにいた事は、疑い用がない


「あぁ、でも朝食を残したまま出て行くなんて、よっぽど急な用事でも入ったみたいだな」


俺たちが、踵を返して家を出ようとしたその時


カーンカーンカーーンと村に鐘の音が鳴り響いた

それと同時に、さっきまで人っ子一人居なかった村の家という家から、人がぞろぞろ出てきて、朝日を浴び 伸びをしている

「あぁ〜朝だぁ!今週も大丈夫だった!」


「よかった よかった」


口々にそんな事を呟いている村人達

俺たちが 何事かと唖然としていると 村の兵士だろうか?鎧に身を包んだ男 数名が大声をあげながら、村の道を走っている


「明かりのついてる家はないかー?明かりのついてる家はないかー?」


明かりのついてる家?今現在、俺たちの目の前にある家屋からは、相変わらずランプの温かな光が漏れている


「ここの家 ランプが付いてますよ!!」

コトヤマが兵士に向かって叫ぶ


「なにっ!シャインさんの家が…!」

周りの村人もざわざわしている

周囲にいた村人や、兵士が家の周りに集まってくる


「主よ 創世神 ブロッサム様 叶う事なら シャイン・アルブザード アナスタシア・アルブザード両人の次世界での幸福をお祈りいたします 」


しばしの沈黙が続き、せせり泣く声 どうして?なんで?などの困惑の声が聞こえる


俺たちには、何が起こってるのか全く分からないが、先ほどの祈りを聞く限り、この家の当主はすでに、存命ではないらしい


「あの?一体何があったんです?」

兵士に聞いてみる


「うっ…君たち…よそ者か…」

それから、兵士達に聞いた話は、にわかには信じられない内容だった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ニーナの家の自室に戻った俺たちは、先ほど、兵士から聞いた話を整理してみることにした。兵士の話によると、この村は数ヶ月前から、毎週 村人が消えるという怪事件が続いているらしい


「人が突然消えるなんて信じられるか?」


「信じるも信じないも、実際に居なくなった人は戻ってきてないって言うんだから、信じるしかないのでは?」


コトヤマは、さらに続ける


「桜木さんが元いた世界 地球でも、神隠しなんて言って、人が消える事はあったでしょう?」


そんなもの、ただの都市伝説だわ!と思いながら、俺は実はこの手のオカルトは割と好きで日本にいた時は、結構調べてたりする


「確かに、今回の事件と似たようなことは、地球でもあった、ポルトガルで一隻の船が漂流しているのが、発見されたんだが、乗務員は誰も乗っておらず、作ったばかりの朝食やコーヒーを沸かしてる最中だったり、今まさに髭を剃っていた形跡があり、まるで少し前まで乗務員が存在してたような形で人が消えた事件だ」


だが、おそらく マユツバものだろう 俺が軽く調べただけでも 数多くの反論が出ていた


これが、この村の困った案件か…ニーナの母に解決すると啖呵を切ってしまった以上 なんとか原因を探るしかない

コトヤマも同じ気持ちなのか いつになく真剣な顔をして考えている


とにかく情報が足りない 今は少しでも多く情報を集めることに専念した方が良い


「俺のチートスキルのレベルが上がれば 何かわかるかもしれないのに…」


俺のつぶやきにコトヤマが反応する


「桜木さんレベル1ですもんね はぁ…使えない…」


「くっそ!悔しいが、言い返せない」

口ではそう言うが、俺はコトヤマに親父直伝の肩パンを食らわせた


「痛っ!!何するんですか!?」


「はん!レベル1のパンチでずいぶん痛がるんだなwざまぁみろ!」


そんな押し問答を続けていると、部屋の扉を誰かがノックした


「はぁーい」


後ろで 暴力反対コールをしているコトヤマを無視して、俺は扉を開ける


「ごめんくださーい!今大丈夫だった?喧嘩してるみたいな声聞こえたから…」


「いや、コトヤマが騒いでただけだ どうしたの?」


「お茶持ってきたの 入っていい」

もちろん!と即答し、俺はニーナを部屋に招き入れた










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