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私にも能力を!!

「んで、これからどうするんですか?コトヤマさん」


「うん。どうしましょうかね…こういうのは桜木さんに任せて、楽して稼げるなぁと思ってたからなんにも考えてないです。」


ほんとに殴りテェ


とりあえず、1億貯まるまで帰れないことが確定した今 最優先で確認すべきは この世界のお金が日本円に換金した時に何倍になるかだ それによって、今回の異世界のクリア難易度がだいぶ変わってくる

俺は、ポケットから端末を出し 換金アプリを開く

無機質なロードマークの後 三つの選択肢のようなボタンがでる

一つ目はアルカグロント 二つ目は日本 三つ目が、ナンドレシアとなっている

聞いたことないのは、三つ目のナンドレシアだけなので、おそらくこの世界の事だろう

俺はとりあえず 日本のボタンを押してみる すると


さくら銀行 残高5080円


ミルへ シギンへ


日本にいた時の俺の残り残高表示される 少なっ!と思った人もいるだろうが、親からの支援を絶たれたニートにとっては大金である。

ミルというのは、前の世界 アルカグロントの通貨である だとすると、シギンというのは、この世界の通貨だと推測できる。


俺はとりあえず ミルへというボタンを押してみる


5080円→508ミル


ふぁっ!っと変な声が出た 前の世界の記憶が正しければ 1ミルは体感的には 1円と同等程度の価値があった 10分の1…


俺が変な声を出したからか、コトヤマが 端末をのぞいてくる


「桜木さん 何をそんなに驚いてるんですか?」


「え?いや、換金アプリを確認してたら、日本円からミルに換金すると10分の1の価値しかないなくて驚いてだな」


「だから 先ほど言ったじゃないですか、アルカグロントのあのカスモンスターですら、日本円にしたら30万ですよって」


そういえば、そんなこと言ってた気がする


俺は端末の戻るボタンを押し 今度は、日本円をシギンに換金を試すことにした


5080円→50800シギン


焼肉屋のメニューを見る限り、この世界も1シギン約1円程度だろう つまり10倍だ

しかし、それは同時にこの世界から元の世界に帰るには 体感的には 100億の10倍はお金を貯めなければいけなくなる


そんな若干 悲観的な顔をしてる俺にコトヤマが話しかけてくる


「桜木さん アルカグロントにも貯金とかあるんじゃないですか? 仮にも魔王を倒した勇者ですし」


それだ!!俺は急いで 最初の選択肢まで戻り アルカグロントを選択した


中央冒険者組合 サドル支店

500000ミル


おぉ!!と2人同時に声が出る

俺の記憶が正しければ、俺の貯金は0に近かったはず、おそらく魔王を倒した報奨金の一部を律儀にも俺の口座に振り込んでくれたらしい やっぱ、あいつら良い奴らだ…


感慨にふけっていると、コトヤマが

「でも、魔王討伐の報酬ってたしか、500億ミルくらいでしたよね?なのに、桜木さんの取り分が50万ミルってww」


俺が考えないようにしていた事を平気でいうコトヤマ 確かに 少なくは見えるが、突然世界に現れた勇者が 魔王を倒した瞬間に消えたら 普通の人は 役目が終わったのだと解釈し、二度と戻らないと思うのが普通だろう ましてや、彼らと過ごした時間は約一週間少しだ、振り込んでくれるだけでもありがたい。


たしか、ミルは日本円にしたら10倍 日本円からシギンに変えると10倍だから ミルからシギンは100倍か!!


桜木さん金持ちですねぇ とコトヤマがニヤニヤしている


「じゃあ、ここの焼肉屋の払いは 桜木さんに」


まぁ、不本意ながら、この先 苦楽を共にしなければならない奴だ…前哨戦だと思って 今日は太っ腹にいこう!


俺の顔から 気持ちを読み取ったのか、コトヤマは 満面の笑みで肉にかぶりついた。



「とりあえず、どうせだから桜木さんだけだと不公平なので、私にも能力付与しましょうかね」


え?できるの!?とつい大声で反応してしまい、周りの注目を集めてしまった。反省


「うるさいですよ桜木さん、発情期ですか? 発情だけならまだしも、私に襲いかかって来ないでくださいよ!能力といってもチート能力は無理ですけどね。」


神様どうかコイツを殴る権利を私にください

なるほど、普通の能力なら付与できるのか。


「それはそうと、どの能力にしましょうかねぇ。桜木さんの下位互換だとしゃくですし、これにしましょうか…いや、やっぱり…」


コトヤマさんがカタログにある文字をタッチするたびウインドウらしきものが立ち この能力を与えますか? yes no と表示されている。なるほど、こうやって、能力を与えているのか


「うーん。迷いますねぇ…この、招き猫の幸運とか、大吉の夢とか運勢アップ系とかもいいですし、ムキムキマッチョなどの強化系も捨てがたいですね。よし決めました!!」



コトヤマさんはこれにします!!とカタログをこちらに見せてきた。


「ええと…メロメロフェロモン?…まさか…魅惑の香りと同じような効果じゃないだろうな?」


「ええまさにその通り!!魅惑の香りの下位互換にして、その才能は絶大!!魅惑の香りが全体に効くとして、これは単体なら魅惑の香りと同じ効果を持ちます!!どうですか?すごいでしょ!!」


「ダメだ!!」


俺は先ほどより大きな声をあげる、またも周りの注目を集めるがそんなものは気にしない。


「え?なんでです?」


「それは…その…なんでもだ!ダメなものはダメだ!!俺だって女子と付き合ったことないのに!」


「いいじゃないですか!!私だって長いことアドバイザーやってて女性と最近はめったに関われないんですよ!異世界くらいモテさせてくださいよ!!」


本当は俺は魅惑の香りを逃したのに、コイツだけモテモテになることは断じて許せないだけなのだがそれは黙っておく。


ダメだ!!なんでです!?ダメだ!!なんでです!?


俺とコトヤマは店内で押し問答になる…構うものか!それだけは絶対に許さない!!


そうやってカタログを取り合いしていると、突然無重力になったかのように体が宙に浮かんだ。いや持ち上げられた。


「おい!にいちゃん!うちの店で騒いでんじゃねぇよ!!ぶち殺すぞ!!」


恐る恐る振り向くと、そこには鬼の形相とはまさにこのことだなと思わせる店主の赤い顔がこちらを睨みつけていた。


それからは、その店にふたたび足をつけることなく、2人揃って店の外にぶん投げられた。


ーーーーーーーーーーーーーー


「どうするんですか!?桜木さんのせいで店から追い出されたじゃないですか!!」


「いや、あれはお前が1人で抜け駆けしてモテようとしてたからだろ!!俺は悪くない!!」


「抜け駆けって!やっぱり桜木さんもモテたかったんですか!!魅力的じゃないとか言って、変態じゃないですか!!」


コトヤマはもう桜木さんには邪魔されませんから!!と言って後ろを向いてカタログを開くそして


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


聞いたこともないくらい大きな声で叫んだ


「ど、どうしました?コトヤマさん?…」


「カタログがぁ…カタログがぁ…」


カタログ? カタログに何があるんだろうとコトヤマさんが待つカタログを覗いてみると、そこには真っ白でなにも書かれていないページが広がっていた。ページをめくってみたが何も書かれてないページが続いている。どういうことだ


「え?カタログが白くなってる…どうして…」


「桜木さんと押し問答になってる間にどこか押してしまったんでしょう…僕の担当しているこの世界の転生者は桜木さんと一応自分自身なので、役目を終えたカタログは使えなくなるんです…」


「えっと…その…なんか、ごめんな」


「ごめんなじゃないですよ!!一度与えられた能力は魂に刻まれ、変更不可ですし、一度与えられたらどんな能力だったのか私にはわかりません…」


これは、悪いことをしたなと落ち込むコトヤマをみて少し反省した。


「それに、あれかもしれないだろ?運が良くモテモテメロンだっけ?あれが発動してるかもしれないだろ…」


「フェロモンです…そんなラッキーなことありませんよ。試しにもう一回焼肉屋に入って店主に発動させて見ます…」


そう言ってコトヤマさんは焼肉屋に入っていった。

そこから俺が見たのは、店内でモテモテフェロモン!!と店主に向かって叫び、殴り飛ばされてくるコトヤマさんの姿だった。


「もう…私は無理です…なんの能力もなしにこんな世界で、朽ち果てるんです…」


周りに青っぽいオーラが視認できるのではと思うほど落ち込んでいるコトヤマさんになにかできることはないかと考えていると


「そうだ!コトヤマさん!!俺の能力!!俺の見抜きの目でコトヤマさんを見れば何か分かるのでは?」


すると、落ち込んでいたコトヤマがスッと立ち近くに寄ってきた


「それですよ!!それです!!桜木さん、見てください!!私の能力を!!」


わぁ、コイツの目キラキラしてるぅーと思いつつどうやって発動されるんのだろう?とりあえず技名みたいなの叫べばいいのかな?


「俺の選ばし目よ!今、その力示す時!!発動せよLooking into the truth!!」


若干…いやかなり痛い、桜木の母が聞けば涙が出てしまうようなセリフを吐いた桜木の視界異常が起こる 目の前に立つコトヤマさんのよこにウインドウのようなものが見えるそこには


コトヤマ シュウイチ


身長178㎝


体重65kg


性別 男


特徴

人間種 顔は整った方、珍しい金髪 敬語とタメ口が入り混じっている 能力 〔フェイク〕

これ以上詳しいことは今の能力値では不可


へぇ、こう見えるのか…てかコトヤマって本名なのか!?


どう?どうでした?ねぇ?桜木さん?どうでした?とさっきからずっとうるさい男にこの結果を教えなくては


「えっと…わかりましたよ。能力名はフェイクです!!」


「フェイクか!!なるほど、たしか…任意のものを単体相手にのみ別のものに誤認させる能力だったような気がする。良かったよ!使えそうな能力で!! それにしてもなんだい?さっきの痛い詠唱は?厨二病ってやつかい?そもそも見抜きの目に詠唱なんて必要ないよ。恥ずかしい恥ずかしい」


顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。穴があったら入りたい。


「では、今度は私が能力を使う番だね!よーし!」


そういうと、コトヤマさんの姿がだんだんぼやけてくる。そして


「どうだい?どう見える?」


正直驚いた


「黒い髪にその整った顔立ちはまさしく俺じゃないか!!」


「いや、整った顔立ちではないと思いますけど…」


なんだと!これでも近所のおばさんには桜木さんの息子さんカッコいいわよね!って有名なんだぞ!!


「ふっ!ふっ!ふっ!もしこの姿で焼肉屋のアルバイトさんにイタズラをして逃げてきたら、あの店主はきみのせいにするだろうね!よーし」


そういうとコトヤマは焼肉店に走って行った

それから僕が見たのはアルバイトさんのスカートをめくり、それを見た強面店主が

「また、てめぇか!!金髪野郎!!」とコトヤマさんを投げ飛ばすところだった。


僕の少し前に不時着したコトヤマさんは

「ぐへへへ…桜木さん、この能力が1人に対してしか効果がないのを忘れてましたよ…」


これから、こんな奴と200億貯めなければいけないのかと思うと先が思いやられる…


日本に帰ることができるのはいつになることやら








セリフ多いって言ってんだろ!!

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