チート能力付与
おいおいおいぃぃぃぃ!!!なんでぇ俺は、また異世界にいんだよぉ!!!!!
「まぁ、まぁ落ち着いてくださいよ桜木さん、あ、この肉焼けましたよ!!すみませーん!野菜追加お願いしまぁーす」
俺の前で、肉を頬張るコイツはアドバイザーであるコトヤマさん、日本人の名前っぽいのは、たぶん俺に合わせて偽名を使ってるんだろう。
「それで、コトヤマさん…俺はまだ、異世界でマネジメントするなんて一言も言ってませんでしたよね?」
「そうでしたっけ?なかなかノリノリだったじゃないですか!あ、ありがとうございます。ほら野菜来ましたよ!焼きましょ!焼きましょ」
くそぉ、なんなんだコイツは…それにしてもこの肉うまいなぁ
「それにしても、なんでコトヤマさんはここにいるんだよ、他の世界は大丈夫なのかよ?」
「大丈夫!大丈夫!!焼肉食べながら説明したらすぐ帰りますから、それにまだ桜木さんにチート能力を付与してないでしょ?ほい!これカタログ」
そう言うと、コトヤマは2センチほどの厚さのカタログを渡して来た
「この中から選べってことか。それにしても、コトヤマさん馴れ馴れしくなってきてません?」
「これから、お金を分け合う相棒になるわけですから!少し崩していこうかなぁと思いまして!そんなことより桜木さん!どれにします?」
コトヤマさんに促されカタログを開いてみる
ほうほう。
歯を磨かなくても虫歯にならない
髪を切らなくても伸びて来ない
爪を切らなくても伸びて来ない
……………どうでもよ!!!!
ふざけんなよ!!なんだよこのカス能力!!使えねぇじゃねぇか!!
俺がカス能力に唖然としてると
「あ、桜木さん!!チート能力は一番後ろですよ!!それは、基礎能力!!一般転生者向けの基本スキルですよ!!異世界転生した人が歯を磨いたり、爪切ってるとこ見たことないでしょ?そういうことですよ。」
そういうことなのか!と納得してしまった俺は一番後ろのページを見る
うーんと、チート能力…チート能力…これか!
全属性魔法特性付与
聖剣カリバーエクス付与
魅惑の香り付与
不死身の体付与
見抜きの目付与
この5つかぁ
「ねぇ!コトヤマさん!3つは分かるけど、魅惑の香りと見抜きの目ってなに?」
「魅惑の香りは、モテの匂いを発するチート能力です、異世界ハーレム系の勇者に付与されることが多いですね!ほら、よくありますよね?ちょっと関わったら、美少女が勇者様〔照〕ってなる奴あれはこの能力です」
ほぉ〜それは魅力的ですなぁと内心思いつつ、
「あまり魅力的ではないね、次のこの見抜きの目っていうのは?」
「それはですね、見たものの本心が分かるチート能力です。まぁ、簡単に言えば嘘を見抜ける能力ですね!!それ以外にも名前やその人の簡単な説明も見えるらしいですよ」
なるほど…心理戦最強だなと思いつつ俺の中では、もう決めていた、そうミワクの…
「コトヤマさん!決めたよ!俺は魅ナァッ 」 ガシャーン
いきなり頭を殴られ前のめりに倒れる
「あ!すみません!すみません!!お客様!お怪我はありませんか?」
頭をあげると、店員らしき人物がペコペコ謝っていた、どうやら飲み物を持っていく時にぶつかってしまったらしい。
「いや、大丈夫ですよ!!はい。いやはい、大丈夫です」
店員さんは謝りながら、割れたコップを片付けて申し訳なさそうに戻っていった。
「いやぁー桜木さん!優しいですねぇ!!そして、桜木さん!!ご所望の見抜きの目!付与しておきましたよ!!」
前でニヤニヤしているコイツをとりあえず殴りたい…ん?見抜きの目?聞き間違いか?
「え?今なんて?」
「優しいですねと」
「いやその次」
「見抜きの目」
「………はあぁぁぁぁぁ!?」
え?なんで?どうして??あ!もしかして!あのぶつかった時に言い間違えたか!いや!俺は確かに魅惑の香りと!!
「なんでそんなに、オロオロしてるんですか?もしかして、魅惑の香りだったんですか?そんなはずないですよね?だって桜木さん、さっき全然魅力的じゃないって…もしかして、本当は興味あったんですか?」
やばい…そういえばカッコつけてそんなこと言った気がする…くそぉバカ俺!!
「そんなわけないでしょ!!ちょっとチート能力を得た自分にワクワクしてただけだって!おーし!見抜きの目!!最高!」
喜んでいただけて何よりです。そう前置きをしたコトヤマは
「それでは、僕は帰りますので!では!ちなみに集金、換金、連絡は桜木さんのポケットに入ってる端末からお願いします!換金時に手数料で半分貰うのでよろしくお願いします!!では!ご武運を!!」
そう、コトヤマが呟いた瞬間、目が焼けるかと思うくらい眩い閃光がコトヤマから発せられコトヤマの姿が消え…消えなかった
「…え?」
「…え?」
セリフ多いって!!反省して!!