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かくも楽しき(?)異世界リハビリライフ  作者: mitsuzo
プロローグ「はじまりの章」
2/20

【002】神様、選択、そして……

挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



 暗闇がただただ、広がっていた。


 暗闇がただただ、深かった。


 目を開けているのか、閉じているのかさえ、わからない。


 でも、『暗闇であること』だけは何故かわかった。


(ここは……どこ?)



挿絵(By みてみん)



≪ここは『選択の間』。君の今後の『道』を決める場所だ≫


(!?)


 自分の問いかけに答える声があった。


 なんだか、『すごく偉い人』のような声に感じた。


(………………あ、あなたは?)

≪私は、君の理解で言うところの『神』のような者だ≫

(神……様……?)

≪うむ。その認識で構わない。さて、新堂アキラよ、君はなぜ死んだのか覚えているか?≫

(はい……俺は生きることに疲れて自殺を図りました)

≪うむ。そうだ。君は自殺を図った。そしてここに来た。今の君は『魂の存在』としてそこに居る≫

(魂?)

≪そうだ。魂だ。故に、身体を知覚できない。『身体』とは、そもそも地上での『魂の入れ物』……『器』に過ぎない。まあよい。今はそんなことはどうでもよいのだ。今、君はここで『選択』をしなければならない≫

(選択?)

≪うむ。『自殺した魂』は傷ついている状態だ。故に『浄化』が必要となる≫

(浄化?)

≪うむ。君の理解で言うところの『リハビリ』というものだ。その『リハビリ』だが、自殺した魂には『二つのリハビリ』が用意されている。ひとつは『天国でのリハビリ』……≫



挿絵(By みてみん)



(天国! 私は天国に行けるのですか?)

≪うむ。それは大丈夫だ≫

(どうして? 私みたいな中途半端で空回りする男が、そんな立派な場所へいけるなんて……正直、信じられません)

≪なるほど。人間の認識ではそう思うのも無理はない。しかし我々の観点から言えば、君は別に地獄に行くような魂ではない。ただし、今の状態で天国へそのまま行ってしまうと、天国で暮らしている周囲の魂にあまり良くない影響を及ぼしかねない。故に、天国に暮らす魂と調和が取れる状態になるまで天国内にある、君たちで言うところの『リハビリ施設』のような場所で魂の浄化を行うというわけだ≫

(そ、そうなんですね。な、なんだか『こんな自分が?』て感じで信じられないですけど……うれしいです)

≪……そうか。それは良かった≫

(ところで、もうひとつの選択肢というのは?)

≪うむ。二つ目の選択肢は『地球以外の世界で転生しそこでリハビリを行う』というものじゃ≫

(『地球以外の世界』? それって……………………異世界?)

≪うむ。君の理解で言うと『異世界』という場所で相違ない≫

(ほ、本当ですか?!)

≪ああ、本当じゃ。しかも、これはあくまで『魂の浄化』……『リハビリの一環』となるため、『異世界でのリハビリ生活』を選ぶ場合は、それなりの『力の付与』を授ける≫

(ち、力の付与……? そ、それって、もしかして…………『チート能力』ってこと?)

≪君の理解で言うとそうなるな。その世界でラクに生活ができるようになる。ただし、リハビリ目標は『天国でのリハビリ』に比べて、少し難易度が高い≫

(と、いいますと……?)

≪異世界でのリハビリ生活、そのリハビリの最終目標は『世界を平和にすること』となる≫

(世界を平和にする……?! そ、それはちょっと……)

≪君の理解で言うとその世界での『英雄』になる、ということじゃな≫

(!?…………え、英雄!!)



挿絵(By みてみん)



 新堂アキラは………………アニメを愛するオタク成分で構成されていた。


(やります! 俺、異世界でのリハビリ生活……『異世界リハビリライフ』に決めます!!)

≪ま、待ちなさい。一応、もう一度言っておくが『異世界でのリハビリ』は『天国でのリハビリ』に比べて少し難易度は上がるのじゃが、それでもいいのかね?≫

(はい! 大丈夫です! 頑張ります! 異世界でのリハビリ目標である英雄になります! 俺、英雄になります!)


 大事なので二回言ってみた(確信犯)。


≪そ、そうか、そこまで言うならわかった……………………新堂アキラよ、お前の『魂の浄化』先は『異世界』となった。これより異世界への転生を開始する≫


 その『すごく偉い人』っぽい声が響くと同時に暗闇が少しずつ細かい光に包まれていく。


≪新堂アキラよ、君はその世界の『ある少年』の身体に転生することとなる。細かい内容はその世界で転生した後、追って説明をする≫

(わ、わかった)

≪新堂アキラよ…………………………頑張るのじゃぞ≫

(?……は、はい)



挿絵(By みてみん)



 最後、神様が掛けた言葉に何となく、憂いのような、憐れみのようなものが入っているようで心をざわつかせたのだが、その時は特に気にも留めなかったどころか、『異世界』『チート能力』『英雄』というワードでただただ何も気にならないくらいテンションが上がっていたので気づかなかった……気づけなかった。


 実際は異世界でのリハビリライフというのは想像以上に、困難であり、痛みを伴う『過酷な選択』であることを俺は後に嫌というほど知ることとなる。


 そんな重要な選択で、特に考えることなく『異世界行き』を選んだ『空回り男』の身体の周囲に、神様の言葉の直後、光の粒子が現れ出し、それは次第にその数を増して行く。気がづけば光の粒子は暗闇がかき消されるほどの光となり、俺の身体(魂)は光に溶け込んでいった。


更新しました~。


イラスト……というより今回はほとんどが会話だけっていう……ww

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