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かくも楽しき(?)異世界リハビリライフ  作者: mitsuzo
第一章「異世界リハビリライフ、最高かよっ!」
13/20

【013】一方的な破壊活動

挿絵(By みてみん)



――それは、一方的な破壊活動だった。


「おらぁあぁあぁぁあぁぁ~~~!!!!!!」

「やっちまえ~~~~!!!!」

「ひゃーははははは……!??!?!?!」


 約二十人ほどいる不良が一斉に襲いかかってきた。その中には鉄パイプや木刀のようなものを持った奴もいる。たった一人の……普段は大人しく心優しい少年、たった一人に対して…………だ。


「……考えられん」


 俺は、不良連中全員の攻撃を教室の時と同じようことごとくかわしながら、一人に対して大勢でリンチを行う、という不良のやり方があまりにも酷すぎると感じだんだん腹が立ってきた。


「ち、ちくしょう……ハアハア」

「な、なんだこいつ……ハアハア……本当に、あの…………『便所虫』ヤローなのかよ」

「…………便所虫」


 不良連中のひとりのその言葉に俺は…………キレた。


 ドゴッ!!!!


 俺はそいつの身体を両手で少し強めに突き飛ばした。


「ぐっ!?…………」


 男は10メートル以上はある体育館の端の壁までノーバウンドで吹っ飛んでいった。


「「「「「「「「…………!?!?!?」」」」」」」」


 壁に打ち付けられた男はその場でグッタリと倒れ気絶する。


「?! な、なんだよ、今の……」

「な、何が起こったんだ、今…………なんで、あいつ…………『ひとりでに』壁に向かって飛んでったんだ?」


 どうやら不良たちには『ひとりでに壁に飛んでった』ように見えたようだ。おそらく俺がそいつの身体を突き飛ばした動きが『見えなかった』のだろう……。


「て、てめえ、今、何をしたっ…………?!」

「普通に突き飛ばしただけだ」

「うそつけ! お前、今…………『魔法』使ったな?」

「『魔法』? そんなの使って…………」

「校内で魔法使うなんて禁止されてんだろっ! 汚ねーぞ!?」

「はっ?」


 いじめられっ子一人相手に、鉄パイプや木刀アンド数十名で襲うあんたらがそれ言っちゃう?


「よーし、そっちがその気ならこっちだって覚悟決めて魔法使ってやらぁ~」

「まあ、こっちは『正当防衛』として魔法を使うんだから『聖なる天秤ホーリースケール』からのお咎めは大したことないだろ?」

「…………聖なる天秤ホーリースケール?」


 なんだ?『聖なる天秤ホーリースケール』って?


「おい、お前ら遠慮はいらねえ、魔法ぶっ放せ!!」

「「「「「「「おおっしゃああぁぁあぁあ~~~~~!!!!!!!!」」」」」」」


 不良たちが一斉にテンションが上がった。すると、


火神かしんファドライドの加護のもと発動せよ…………火の銃撃ファイヤーショット

水神すいしんマイヨールの加護のもと発動せよ…………水の銃撃ウォーターショット

大地神だいちしんグランドレイスの加護のもと……………………」


 と、不良連中全員が魔法を発動し始めた。すると、『炎の塊』や『水の塊』あと『大きな石』みたいなやつが襲い掛かってくる。


 ドンッ! グシャッ! ガンッ!


 俺は顔を守るように腕を前に持ってきて防御をした。


「い、痛い、痛い、痛い……」


 さすがに魔法攻撃はちょっと痛かった…………しかし、


「げっ! 燃えてる?!」


『炎の塊』においては身体に当たったとき特に火傷することも無く、痛みもあまりなかったのだが炎が服に移った為、俺の服はメラメラと燃えていた。その為、とりあえず服が燃えるのは困るので手でパンパンと叩いて消化活動にあたった。


「ふう…………やっと消えた」


 消化はすぐにできたが、服の袖の部分が少し燃えてしまいボロボロになっていた。


「お、おいおい……なんで服が燃えてんのにお前はほとんど火傷してないんだよ……」


 不良の一人が俺の態度を見て青ざめていた……まあ無理もない。確かに服が燃えるほどの火だったはずなのに俺の身体はほとんど火傷などせず無傷だったんだ……そりゃあ、驚くだろうし、俺だって驚いている。おそらく例の『基本的身体能力の向上』の効果だと思うが、こういうケガをしにくいことにもつながっているんだな、と思うと、改めて神様がサービスで付与してくれた力は想像以上だったと驚く。


 すると、突然、頭の中にあの『機械音の声』が響き出した。


{警告。一般魔法の攻撃により今後負傷の恐れあり。よって、これより防御魔法『グランドフィルム』を展開します}


 すると、俺の周囲を『虹色の膜』のようなものが展開された。


「おおー、きれいな色だな~……」


 と、俺がその『虹色の膜』を見ての感想を述べていると、


「お、おおおおいいいいいいいいい! おおおおおいいいいい! こ、これって、お前…………」

「あ、ああ……俺、前に見たことがあるぞ…………これは、上級レベルの防御魔法『グランドフィルム』の膜……通称『七色の壁』てやつだ……」

「な、な、なんでこいつが『上級レベル』の防御魔法を使ってんだよ、使えてんだよ~~~~!!!!!」


 なにやら不良たちがこの『虹色の膜』を見てうろたえていた。


「『上級レベルの防御魔法』?…………おい、ちょっと待て、それってもしかして無駄に魔力消費の激しい魔法ってことなんじゃねーのか? つまり、『寿命消費も激しい』ってことじゃ……」


 すると、脳内で解説が始まった。


{いえ、これは一般魔法なので寿命ではなく先ほど取得した一般魔法に付与されている『魔法量』から捻出されたものですので、魔法量のみの消費となっております}


 なるほど。一般魔法は『魔法量』からの消費だから寿命とは関係ないということか。


{尚、先ほど神様のほうで『オートプロテクト機能』が設定されておりますので攻撃を仕掛けられた際は安全を考慮し、上級レベルの防御魔法『グランドフィルム』が発動されるようになっております)


「な、なんという『安心設定』。神様何から何まであざーっす。さっき『くそシステム』なんて言ってごめんなさい!」


 と、神様に心から感謝の意を述べたのだが、その感謝の意を俺はまた声に出してしまっていた。


「な、なに、わけわかんねーこと言ってんだ、このヤロー?!」

「あ、す、すみません…………単なるひとり言なので気にしないでください」

「な、なめやがって……」


 俺は心で呟いていたと思っていたものが、口から出ていたことにすごく恥ずかくなった。いや、これはかなり恥ずいっ!


「おら、どんどんいけー!!!!!!」


 不良たちはさらに俺に対して、火やら水やらと攻撃魔法を展開。しかし、ただでさえ身体自体が傷を受けにくい状態の上、さらにのオートプロテクト機能という『過保護機能』により、上位の防御魔法『グランドフィルム』というものが展開されているようで、まったく、まーーーーったく痛みを感じなかった…………というより、そもそも『虹色の膜』がすべての物理・魔法攻撃を遮断していた。


「す、すげーな、この『グランドフィルム』って防御魔法…………こんなんまさにチートやん?!」


 というわけで、気づくと教室のときと同じく二十人ほどの不良連中が皆、グロッキー状態で床に倒れていた。


「はあはあ……な、何が、どうなって……いやがる…………ハアハア」

「こ、この化け物が…………」


 さて、さっきの教室では俺はこの後、特に何もしなかったが……………………今回は違う。


「とりあえず、あなたたちがやっていること、そしてこれまでやってきたことは『イジメ』なんてかわいいものではなく単なる『犯罪』です。なので、一人ずつお仕置きをします」

「な、なんだ……と、うごっ!?!?」


 俺は不良が言い終わる前に『そこそこの力』で頭にゲンコツを食らわせた…………失神。


「はい、じゃあ、どんどん行きますので~……あ、大丈夫です、安心してください…………殺しはしませんから」

「な、お、おい、ちょ……まっ……げふっ!?!」


 はい、失神。


 ドゴッ! ゴンッ! バキッ! ドガッ!…………。


「ぐごっ……!?!」

「んぎっ……!?!」

「……」

「……」

「……」


 というわけで、俺はそこにいた不良連中全員にゲンコツを食らわせ失神させた。


「ふう……よし! とりあえずはこれで一矢は報いたかな……。まあ、でも、おそらくもっと酷いイジメを受けていたかもしれないけど『人を呪わば穴二つ』って言うし、このくらいで許してくれよな?…………アキラ。


 特に誰がいるわけでもないが、この身体の元々の主……アキラ・ファドライド・ビクトリアスに対して俺はそんな報告まじりの言葉を呟いた。


「やべっ! もう授業始まっている時間だ! 急いで教室に戻らないと…………」


 そう言ってアキラがドタドタと慌しく教室へと戻っていった。


 アキラが居なくなった体育館はシーンと静まり返っていたが、しばらくすると体育館の奥の舞台側から、これまでの一部始終を見ていた『人物』が一言呟いた。


「アキラ・ファドライド・ビクトリアスか…………面白い」


 そう言うと、その人物の瞳はいっそう鈍く輝いた。



イラストむずかしいっす。。。。_| ̄|○


今後は『たまーーーーに』ちょっとしたキャラ紹介などで不定期でアップして行ければと思います(まあ、絵の質は変わらないと思いますが……)。

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