【012】寿命のご利用は計画的に
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寿命を二十年も削るなんて…………ま、まあ、内容が『この世界で最強レベルの一般魔法すべてが使えるように』だしな…………いや、でも、うん? あれ? これってなんか『得』してないか? だ、だって俺の寿命二十年分『程度』で『この世界で最強レベルの一般魔法すべてが使える』ようになったんでしょ? やだ、お買い得じゃない、これって? ていうか、今年中で『英雄』になっちゃう?
≪お主のアホな心の声…………しかと聞いておるぞ。まあ、しかし、残念ながらそう簡単にはいかんのだな、これが……≫
「えっ? だ、だって『この世界最強レベルの一般魔法すべて』が使えるようになったんでしょ? だったら、ぶっちゃけ『敵なし』ってことじゃ…………」
≪まあ、『しばらく』は敵なしであろうが……な。まあ、これ以上は『大規模なネタバレ』になるので割愛する≫
「ネタバレいうなよ……」
≪まあ気にするな。とりあえず、今の能力向上能力でしばらくはこまることはないじゃろ。あと、『一般魔法』が使えるようになったのじゃから学校の魔法の授業も問題ないじゃろ≫
そういやそのこともあったな…………何とか赤点は免れそうだ。
≪……ただ、お前のそういう暴走に近い行動はいずれ大きなしっぺ返しを食らうから…………気をつけなさい≫
「えっ……? は、はい」
な、何だろ、今の言い方…………何というか、いつか、この先その『しっぺ返し』を食らうことが『すでに決まっている』かのような…………考えすぎ、か?
≪まあよい……80%も残っているだけまだ良かった。いいか、アキラよ。今度から『魔法』に関する能力向上の場合や、大きな力が必要になるときは一度、『確認』をするんじゃぞ≫
「か、確認? そんなことができるの?」
≪うむ。さっきはそれを伝えようとしたのじゃ。いいか、明らかに大きな力を発動すると事前に理解している時は『能力向上能力』で『確認』と宣言してから望む力を言ってみろ…………そうすれば発動前にどれくらいの寿命が消費されるのかが確認できる≫
「そ、そんな機能があるの?」
≪うむ。じゃから大きな能力を発動する場合は事前に確認するんじゃぞ。まあ、何がどれくらい寿命が消費されるのか最初の内は確認してから力を使ったほうが良いじゃろ≫
「わ、わかった。そうするよ…………さっきはすみませんでした」
≪ふむ…………先ほどのお前の短絡的な行動がどれほどのことだったのか、ちっとは骨身に染みたようじゃな≫
「……は、はい」
≪それならば結構。次からは気をつけるのじゃぞ。さて! なんだかんだとあったが今現在お前は『一般魔法』も使えるようになった。本来、リハビリ目標である『この世界を平和にし英雄になること』を達成するにおいて『一般魔法』はそこまで必要ない能力なのじゃが、まあ、お前にとってはこの世界を楽しむために『必要な能力』というのならそれも構わん。大いに楽しむといい≫
「あ、ありがとう」
≪ふむ。では、魔法についてはもう説明はいらんじゃろ。日常で使役するのは『一般魔法』、強大な敵には『憑依具現』。以上じゃ≫
「わ、わかりました。ありがとうございます」
≪さあ、これで基本的なことはすべて教えた。ここでチュートリアルは終了じゃ。後は己で判断し道を切り開くのじゃ!≫
「は、はい!(チ、チュートリアル……て)」
≪まあ心配するな。お前に付与した能力向上能力について調べたいものや質問については心で直接、能力向上能力に聞いてみろ……今のような基本的な内容から応用的な内容まで答えてくれる『ヘルプ機能』が内蔵されているから何でも聞いてみろ≫
「ヘルプ機能……へー」
それ先に言えよ…………ホント、マジで!!!
≪……聞こえとるぞ≫
「聞こえるように言ったんだよ!」
≪まーとりあえず最後にワシから言える事は『目の前の問題をひとつずつ解決していくしかない』ということじゃ。ほれ、早速、来たようじゃよ?『目の前の問題 その1』が…………≫
「えっ?」
神様がそう告げたとき、体育館入口の玄関付近から数人もの人の気配を感じた。
「ま、まさか……」
≪ではな、アキラ……お前の異世界での活躍、見守っておるぞ≫
そう言うと神様の気配が完全に消えた。
俺は、大きく深呼吸し一息つく。
「ふう…………ここから、ここからだ。ここからが異世界リハビリライフの目標達成の第一歩だ! まずはこの子の、アキラ・ファドライド・ビクトリアスの無念を晴らすっ!?」
俺は覚悟を決めて、通路の奥から聞こえる声に集中する。
そして……………………沈黙は破られた。
「いたぞ! みつけたぞ、アキラぁあぁあぁああ~~~~!!」
「アキラ~……さっきはかっこ良かったな~、おい! だが、次はもうねえぞ?!」
「この人数相手にさっきのようにやってみろよ、やれるもんならな! ひゃーはっはっは」
最初、俺は気配は数人と思っていたのだがそれは間違いだった。実際、目の前には二十人ほどの集団がいた。
「お、俺一人にこんな大人数連れてくるなんて、いくらなんでもやりすぎじゃ……」
「お前には意見求めてねーーーんだよ!? とりあえず、お前リンチ決定だからっ!」
「人払いも完璧だからよ? 今度は…………逃がしゃしねー」
「リンチだ、リンチ……ひゃーはっはっはーーー!!!」
こいつら、本当にこの人数で一人の少年にリンチを行おうというのか。下手したら死ぬ……いや、確実に死ぬぞ。そこまでのことがわからないのか、こいつらは!…………こんなのイジメじゃない、ただの犯罪だっ!!
俺は、こいつらの態度や言動で一気に冷静になった。理由は『力無き者』に対して、人はここまで残虐で非道な行為を平気で行おうと思えるという現実を目の当たりしたからだ。
もしも……生前の俺、新堂アキラならば、そのままリンチされ下手したら殺されていたのだろう。
もしも……生前のアキラ・ファドライド・ビクトリアスならば、そのままリンチされ下手したら殺されていたのだろう。
――だが。
今の俺には………………力がある。こんな……こんな非道な奴らに抗う、大きな力があるっ!
「俺は……お前らみたいなやつらを絶対に……………………許さない」
一方的な破壊活動が始まる。




