【011】一般魔法と憑依具現(ポゼッション)
≪はーい。というわけで、これから君が使える魔法についての説明をしますねー。落ち着いて聞いてくださいねー≫
「は、はーい……」
俺は神様に脳内でぶん殴られた刺激で少しフラフラしていた。
≪まず、もう一度言うがお主は『この世界で使っている魔法』は使えない。そのかわり『別の魔法』が使える。それが『憑依具現』という魔法じゃ≫
「憑依具現……?」
憑依…………なんだか怖いワードなんですけど。
≪まあ、厳密に言えばこの『憑依具現』とは魔法というよりも『召還術』に近い。まずは、この世界の魔法の…………『くそシステム』についての話から始めよう≫
「ホント、すんませんっ!」
≪この世界では魔法を使う際、自分を加護する『守護神の名前』と『使いたい魔法名』を宣言して発動させる≫
「守護神? 何、それ?」
≪まあ、守護神については後で授業などを受ければわかるから飛ばすぞ。まあ、とにかくこの『二つの言霊』が発動のキーとなる。そうして、この『二つの言霊』を言うことにより加護されている守護神の力の一部を発動することができる。ちなみに、その発動する魔法の威力……『魔力』については個人差がある≫
「そりゃあまあ、個人差はあるだろうな……」
はい、前世ではそれを嫌というほど味わい尽くした僕が通りますよっと。
≪うむ。得意・不得意、センスの有無……など様々な要因があるが、そういう個人差がある。あと、もうひとつ個人差があるのが『魔法量』じゃ≫
「魔法量?」
≪うむ。『魔法量』とはお前の理解で言うところの『スタミナ』じゃな。魔法の威力……魔力がいくら強くてもそれを何度もぶっ放せる魔法量が無ければ、自分よりも魔力の低い者に負けることだってある≫
「なるほど。魔法量が多い奴の場合は長期戦に持ち込めば自分よりも魔力の高い奴に勝てることもあるってことか……」
?!
「?? どうした?」
≪う、うむ……思ったより飲み込みが早いと思ってな≫
「あ、そ、そう?」
照れた。
≪…………≫
こやつ、力のコントロールもそうじゃったが、勘どころというか、こういうことにおいて筋がいいようじゃな。
「ん? どうした、神様?」
≪な、なんでもない……続けるぞ。さて、そんなこの世界で使われている魔法をお前が使えない理由はじゃな、単純明快、『魔力』と『魔法量』がゼロだからじゃ≫
「ま、魔力、魔法量、ゼロっ?! ちょ……」
ちょっとひどくない? なんで基本的身体能力は向上できても魔法が使えないなんて…………そんなのってないよー。
≪しかし、そんな魔力、魔法量ゼロなお前でも使える魔法がある。それが先ほど言った『憑依具現』じゃ。これは、一般的な魔法のように『魔力』や『魔法量』を必要としない。何故だかわかるか?≫
「い、いえ……」
≪それはだな…………『守護神自体を直接、身に宿して』魔法をぶっ放すからじゃ≫
「はぁあぁあぁああ~~~????」
『守護神自体をを直接、身体に宿す』…………それって『守護神になる』ってことじゃん。それって、まさしくチートじゃん!?
≪しかーもー! 同じ魔法を使った場合、一般魔法と比べて威力は遥か上だってんだから手に負えませんなっ!≫
「おおおおおーー!!」
何、それ? 大丈夫? 俺、すぐに英雄になれんじゃん? ていうか、明日にでもなっちゃう?
≪しかも、しかーもー!! その分、寿命の削られようもハンパじゃないってんだから手に負えませんなっ!≫
「おおおおおーー……て、ちょっと待てっ!!」
≪んっ? 何? 今、盛り上がりがちょうど良いところなんじゃけど……?≫
「なんじゃけど……じゃねーよ!『寿命の削られようもハンパじゃない』ってダメだろ?」
≪大丈夫、大丈夫。ドーンといってみよ!≫
「行けねーよ! 何、どれくらい減んの?」
≪うーん、そうねー、魔法の内容にもよるけど憑依具現の『最大級魔法』ぶっ放したとすれば……………………半分はいくっしょ?≫
「『いくっしょ』じぇねーよっ!? 何、それ! そんな魔法簡単に使えねーじゃねーかよ!」
≪えー? そんなー? いける、いける、いけるってー!≫
「いや、おかしいだろ! いっちゃダメなやつだろ、それっ!?」
この神様、意味わかりません。
≪さーて、冗談はこのへんにして……≫
「本当、勘弁してくだい……」
≪まあ、とりあえず『最大級魔法』一回の使用量で寿命半分くらいということじゃ。魔法の種類やレベルはいろいろあるからの。その辺は学校で魔法の授業を受ければわかってくる。ただ、まあ、基本、お前が使う『憑依具現』の魔法は寿命を大きく削るから特別な時に使えば大丈夫じゃ≫
「うーーーーーーーー……」
俺はおもいっきり納得がいかない顔で神様にガンを飛ばしてみました(イメージで)。
≪何? 何よ? その顔…………ワシ、神様だけど? 偉い人なんですけど?≫
「ちょっと待ってくださいよー! 神様、そんな使いづらい魔法、こまりますーー!」
≪えー、なんでー?≫
「やっぱ魔法って気軽に使いたいですー」
≪憑依具現すごいよ? あとですごい役に立つから≫
「命削るの嫌っすー。それに後でじゃなくて今すぐ気楽に使える魔法がいいっすー」
≪マジかー。でも、もう設定しちゃったから変更無理よ? まあ、どうしても一般的な魔法使いたいならアレしかないが……≫
「あれ?」
≪能力向上能力……≫
「えっ? いける? いけるんすか?!」
≪まあ、な……。しかし、それやっちゃうとけっこう寿命…………≫
「能力向上能力発動…………」
≪!? お、おい、こら、バカ! やめ……≫
「……一般魔法すべてをこの世界の最強レベルまで使えるようにして!!」
{能力向上能力発動。一般魔法すべてをこの世界の最強レベルまで使えるようになりました。寿命は残り80%です}
「えっ?! 何、今ので20%も寿命削っちゃったの?」
≪お主、ワシがその説明をする前に勝手に発動してどうする?! 魔法に関する能力向上は身体能力よりも寿命を削るんじゃぞっ!≫
「えっ、何それ、聞いてないよー」
≪お前がフライングしたんじゃろがっ!!≫
結構、ガチで…………怒られた。
「す、すみません……」
≪…………ちなみに寿命は『1%:一年』じゃから、今、現在、お前の寿命は残り八十年となる≫
「は、八十年……? え、でも、それってまだ結構余裕が……」
≪バカもん! この『寿命』とは病気もせず、食生活も良好で健康に生きた状態でそのくらいということじゃぞ? 当然、病気をしたり、ケガをしたりすれば寿命は削られていく。そして、お前にはこの世界で他の者と同じように普通に生活をすることはできない……それは、お前はこの異世界にリハビリ目的で転生しているということ……そして、そのリハビリの目標が『この世界を平和へと導く英雄になること』だからじゃ。じゃから、今の行動がどれほど軽薄なものだったか少しは理解できるじゃろ?≫
「あ、ああ……」
そうだった……寿命は『能力向上能力』を使わなくても削られていくものだ。しかも『この世界を平和へと導く英雄になること』なんて何十年かかるかわからない……それを俺は……。
「に……二十年。『寿命のご利用は計画的に』とか言ってる場合じゃねー」
ストックがだんだん無くなってきていますので、そろそろ、また更新が遅くなるかも……です。




