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まもむす!  作者: わんちゃん
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隠れてナニする奴〜?

「デッケェ〜」


「け〜」


「バカ!、いい加減そんなこと言ってる場合じゃないだろ‼︎」


 3人の前に立ちはだかるは巨大な城壁

 そして壁の上には弓を構えた兵士が今にも3人に向けて矢を放とうと弓を張りつめているが翔太と力也は自分達より遥か巨大な城壁に圧巻していた



「魔物達よ、何故この街を襲いに来た‼︎」


 城壁の上、兵士の先頭に立ち3人に言葉を浴びせる女兵士、他の兵士の装備に比で白色の西洋甲冑を着込んでいる



「あのー、だから違うんです襲いに来たわけじゃ無いんです!、中に入れて下さい‼︎」

「ヤラシイなー飛鳥は」


「その様な嘘が通用すると思うか!」



 飛鳥の弁解も虚しく緊張が解ける事はなくもう1時間程同じやりとりをしている中飛鳥は焦る中次の手を考えていた


 一方兵士達の隊長である女兵士、リスティアも目前の魔物達に対して焦りと恐怖を抱いていた



(魔族であるサキュパスにデイウォーカーのリッチに加えて新種のアウラウネ…恐らくサキュパスにはこの程度の矢は効かないしリッチもどれ程の魔力を蓄えているかわからない、その上昼間のアウラウネとなるとどれ程持つかわからない、一体どうすれば…)



 兵士達もリスティアと同じ感情が湧き上がり額には汗が滲み出ている中、飛鳥は必死に頭を働かせていたが一向に良い手は思いつかない


(このまま膠着状態が続いてもどう転ぶかわからない引き返しても生きていける保証も無い…クソ、駄目だ良い手が思いつかない!)


(かくなる上は‼︎)



 突如飛鳥はその場に正座をし両手を地面につける中、翔太と力也はまだ生城壁&生兵士に心打たれていた



(やってやるぅ!、土下座が何だ!頭下げて生き残れるなら安い‼︎)


「お願いします!私達をたす「待って下さい‼︎」



 飛鳥が頭を下げようとした途端リスティアとは別の女性に遮られた

いつの間にか城門の前に立っている白い法衣を着た美しいプラチナブロンドの女性は小走りで城壁の上の兵士達から見える場所に移動した



「皆さん武器を下してください!、この魔物達からは邪悪な気配は感じません!」


その女性の言葉にどよめく兵士達、しかし鎧の女性リスティアは法衣の女性に対して大声で問いかけた


「どいて下さいエイミー様!そいつらは魔物です何を企んでいるかわかりません」


「どきません!」



目の前で二人がにらみ合ってる中、中途半端な土下座をしている飛鳥と座り込んでエイミーと呼ばれる女性にニヤニヤと涎を垂らしている翔太といまだに城壁を眺めている力也だった






暫くするとリスティアがため息を吐き兵士達に武器を下すよう指示する


「分かりましたエイミー様、ですが安全の為にも一度こちらで預からせていただきます。その後その者達の対応をさせて頂くのはどうでしょう?」


「はい、ご理解ありがとうございます」


「ただし留置中に危険があると判断された場合は…」


「わかっています、どうかよろしくお願いします」


エイミーはそう言うと再び門の中へ歩き出しすれ違うように兵士達が三人の身柄を確保するため走って来る


なるようになったと思った翔太は横で土下座をしたまま固まっている飛鳥に問いかける


「そういえば飛鳥、お前何やってんの?」


「お前後で覚えてろよ…」


翔太は手を前に揃え警察に連行されるように…

「へへへ、俺も潮時ってか」

「何を言ってるんだお前は」


飛鳥は手を後ろに回されロープで拘束され…

「なんで僕だけこんな扱い!?」

「良いから歩け」


そして力也は両手を持ち上げられサルのように連れていかれるのであった

「なんか子供の頃を思い出しますね」

「ハハハ そうだな、まぁ息子とは一ヶ月ほど会ってないんだが…」

「…大変ですね」





場所は変わって何処かの建物、3人は医務室のような場所で白衣を着た黒髪の女性と対面して座っていた。

背後には未だに兜すら脱がない状態で壁に寄りかかっているリスティアとピンク色のボブカットの女性兵士の2人がいる


長い髪を後ろで止めて机に何か書き込んでいる女医が3人に質問する


「えーと、まず貴方達は自分達の種族をご存知で?」


「「わかりません」」


3人が揃って言う


「はぁ、では1人ずつ説明していきます。まず貴女のお名前は?」


「翔太です」


「翔太さん貴女は淫魔、サキュパスと言う種族です」


「エッチな奴ですか?」


「エッチな奴です」


「エッチだってよ」


横に座っている飛鳥の膝を揺らしながら飛鳥の顔を覗き込む


「わかった、わかったから!」


飛鳥は面倒くさそうになだめる中女医は続ける


「サキュパスは幻術や変質の魔法が突出していて相手を魅了し性行為を行う事で精力を奪ったり同族を増やすのが特徴的な種族です、ですか貴女は見た所かなり高位なサキュパスで自ら精力を生み出す事が出来るため性行為による食事の必要は無いそうです」


「じゃあその精力?を取ったらどうなるん?」


「高位なサキュパスが精力をしたらどうなるかはわかっていませんが恐らく保有魔力が多くなるでしょう」


「へー」


なんかよくわからない為テキトーに返事をする翔太を気にせず次に飛鳥に質問が行く


「次の貴女は?」


「飛鳥です」


「飛鳥、貴女はリッチという種族です」


「聞いたことが無いな」


「エッチ?」


「エッチではありません」


「間に受けないで下さいよ…」


「貴女の種族は不死、もとい既に死んでいる存在です」


「南無み、飛鳥」


「勝手に殺すな!」


「いいえ既に死んでいる。リッチは魔術に長けた人間が死んだ後その身に宿した大量の魔力によって蘇る種族で膨大な魔力を保持し魔法の扱いにも長けているのが特徴だ、冒険者や兵士の目撃によると動物や人間を食べているが恐らく人間の物で大丈夫だろう」


「なんかフランクになってません⁉︎」


「そして最後に貴女」


「えと、力也です」


「貴女は恐らくアウラウネ種だと思われる」


「エ…エッチな奴ですか?」


力也は恥ずかしそうに聞くとため息を一つ吐く


「それは私達にもわからない、貴女はアウラウネの新種だ」


そう女医が言うと3人の後ろで黙ってたリスティアが口を開く


「やはり新種…他のアウラウネとどう違う?」


「白色の花弁のアウラウネは未だ確認されていない、そして何より足がある。アウラウネは下半身が植物の形状であるのに対して足があるのは明らかに他と違う、他にも体色はグリューン種の様だがツルはロト種に似ている、だがそもそも花弁の向きが…」


と解説を続けているとリスティアが割って入る


「人間との合いの子の可能性は?」


女医は眺めていた書類を横の机に放り投げ腕を組む


「あり得ない根本的に繁殖方法が違う、亜種や変異種だとしてもアウラウネの常識を覆している」


2人が会話をしていると申し訳なさそうに力也が手をあげる


「あの〜…食事とかは〜?」


「ん?、ああすまない、食事は…正直わからん」


「わからない…」


「品種によっては腐葉土などを…」


「腐葉土…」


「まぁそこは今まで生活していた貴女達の方が詳しいだろう、まぁ魔物や魔族の生態の多くは謎に包まれている部分が多い、貴女達の方から何か自身やお互いの特徴などを教えてくれるとこちらとしても助かる」


そう言うと翔太は真っ先に飛鳥を指差す


「こいつロリコンです」


「な、ば!ロリコンちゃうわ‼︎」


「あ〜、ろりこんとは?」


「こいつ小さい女の子が大好きなんですよ、エッチな意味で」


「…」


女医に冷めた目で見られるのに対して飛鳥は必死に弁解する


「引かないで!ただのユリスキーだから!ただ女の子同士が仲良くしているのを見るのが大好きなだけだ!幼い子限定ではない勘違いするな!」


「あーわかったわかった、それで他には」


「「…」」


「なんでも良い…何かないのか?」


「えと…じゃぁ」


「力也…だっけ、何かあるのか?」


「僕、昼寝が好きです」


「ほう…」


女医は書類とペンを取ると何かを書き込み始める


「他の2人も好きな事とかないか?」



「あの〜、よろしいでしょうか?」


「エイミー様、教会に戻られたのでは?」


「はい、急に出て来たので一度戻り他の者達に任せてこちらに…先程の者達に挨拶と、出来れば少しお話させてもらえないかと思いまして…御一緒させて貰ってもよろしいでしょうか?」


「そうでしたか、同席しても構いません」


「ありがとうございます」


「身体検査は今終わった所です」


「では別の部屋に移動しよう」



(なぁ2人とも)


(どした?)


(僕達が他の世界から来た事は黙っておいた方が良くないか?)


(どうして?)


(下手にバラすとこの世界に混乱を招きかねない)


(なーるほど)


「何をコソコソと話している!」


「いえ!目って擦っても擦っても痒い時ってあるよね?って」


「そんなもん気合いでなんとかしろ!」


「う〜ん脳筋…」


「うっさい!」


(で、どうやって誤魔化すんだよ?)


(記憶喪失とでも言っとこう)


(オーケー、わかったか力也?)


(だいじょぶ!)





「まずお前達はどこから来たんだ」


「山からこの街が見えたから」


「その前はどこに居たんだ?」


「う〜ん、山?」


「違う、その前に居座ってた場所だ!」


「すみません、覚えてません」


「魔王軍という言葉に聞き覚えは?」


「「無いです」」



一通り事情聴取を終え別室でリスティアとエイミーが椅子に座り悩んでいた


「う〜む、何を聞いても知らない覚えていないとは、何か意図的なものを感じるが…」


「ですがはやり邪悪な気配もしませんでした…何か言えない事情があるのでしょうか?」


「一瞬魔王軍の再来が頭をよぎったが、やはりお伽話の世界か」


「それで3人はどのような対応にします?」


「敵意はおろかこちらに対してかなり友好的だが解放した所でなまじ普通の生活は難しいだろうし街にも混乱が起こるだろう…取り敢えず今は牢屋に入れて置いた、どうしたもんかな…」


「流石に教会でも…子供達もいますし」


「どうしたものか…」


「ではこうゆうのはどうでしょう?」



牢屋


3人は牢屋の中で思い思いに暇を潰していた


「なーんでこんな所に入れられなきゃいけないんでしょうかねー」


胡座をかいて頬杖をつきながら胸を揉む翔太


「そう言うな、向こうにも事情があるんだ」


うつ伏せになり腰痛と戦う飛鳥と


「殺され無かっただけマシだと思おう!」


壁で逆立ちをしている力也



「にしても本当に異世界なんだな…」


「どうやらね…」


「にしても飛鳥は随分美人になったな、グヘヘ」


「自分の姿を確認してないからわからないけどな、そうゆうお前はビッチっぽくなったな」


「へ〜、どんな?」


「そんな胸を強調させて…クラブにいそうなビッチだな」


「マジで!、こんな感じ?」


「いそ〜」


「んで力也は…可愛いくなったな〜」


「ああ、小さくて可愛い上に人外肌と元の性格も合わさってなんと言うか…そそる」


「も〜ほどほどにしてよ〜」


と3人が話しているとリスティアとエイミーが来る


「お前達の処遇が決まったぞ、って何をやっている」


「いや、胸揉んでるだけだけど」


「腰が…腰が…」


「逆立ち〜」


3人の答えにリスティアは握り拳を作る


「こっちは真剣に考えていると言うのに…」


「まぁまぁそれくらいにして〜」


エイミーが止めに入りリスティアは話を続ける


「まぁ良いだろう気を取り直して…お前達の事は信用するが民が不安がらない為に監視付きでの生活を送って貰う」


「と言うと?」


「いや、分かれよ」


「つまり〜、誰かと一緒に暫く生活するって事?」


「まぁそうゆう事だ、住む場所は農作業地区の一角でそこで暫く私と共に住んで貰おう」


リスティアが説明すると飛鳥が問いかける


「軍のそこそこお偉いさんなのに良いのかい?」


「本当は親の目の届かない所で生活したいだけなんですよ」


エイミーが横からちゃちゃを入れる


「な、それは言うなと言ったろう!」


「わかるぜリスティアさんよ〜、1人で色々したい事もあるもんな」


「一緒に生活するんだし、せめてトイレか自室でお願いします」


「え、ええと…程々に、ね?」


「何を考えてるんだお前ら‼︎、ほらとっとと家を見にいくぞ!」


「せっかくなので私も見に行きます!」


こうして3人は異世界での新生活が始まろうとしていた

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