まもむす
ロケーション:森?「どちらかと言うと林だな」
時刻:朝
木々の隙間から光が見え隠れする頃、3人は只々歩いていたが普段運動しない飛鳥と身体が小さくなった分運動量が多くなった力也はバテていた
「ゼェ…ゼェ…まて、疲れた…」
「僕も〜」
遂に2人は歩みを止めその場に座り込んでしまった
「全くだらしないな〜」
「運動…馬鹿とは…違うんだよ…」
「小さく…なったから…かな…」
「ふっふっふ!、運動部を舐めるでない‼︎」
「僕柔道部なんだけどな…」
「ていうか羽生えてるなら僕ら持って飛べないの?」
「あ、羽あんの忘れてた」
「動かせるの?」
「うーん、感覚はあるからできんじゃね?」
そう言うと翔太は羽を動かしながら跳ね始める
「力也は何か出来そうか?」
「多分、こんな感じかな?」
そう言うと力也は花弁の下からウネウネを何かを伸ばす
「これは…根っこか⁉︎」
「おおぅ動かせる!」
根っこを持ち上げて様々な方向に動かす
「凄いな…何処まで伸ばせるんだろうな」
「飛鳥は何か出来そう?」
根っこをどんどん伸ばしながら力也が言う
「僕のは…こんな感じか?」
飛鳥が手のひらを前に出すと手から小さな炎を出す
「おお、超能力って奴?」
「いや魔法だろ」
「凄いじゃん!どうやってやったの?」
「頭の中でイメージして何かこう…出す」
飛鳥は曖昧な説明をし炎を消す、力也が真似していると1メートル程宙に浮いている翔太が帰って来る
「案外楽だったわ何その触手キモ‼︎」
「長さは10メートル位かな」
「案外伸びるな」
シュルシュルと根っこを縮め花弁の中にしまう
「飛んだ感じはどうだった?」
「高く飛ぶとメッチャこえー。あーそうそうあっちに道があったぞ」
そう言って翔太に案内されると確かに砂利で出来た道があった
「でかしたぞ、きっとこの道を歩いていけばどっかしらに出れるはずだ‼︎」
「ちょうど休憩も取れたしまた歩こうか」
「よぅし‼︎いくぞー」
発見した道を歩いていくと次第に森が晴れてくる
「何とか森を抜かれたな」
「てかここ山だったんだな」
「結構高いね」
周りが明るくなり森を抜けた所で自分達が歩いていた所はなだらがな山道だったことに気づく、森を抜けると平原が広がっており川や町が見えて来る
「おい町だぞ‼︎」
「ふ〜やっと帰れる目処が立ったぞ…」
「…」
町が見えたことに安心する翔太と飛鳥とは裏腹に難しい顔をする力也
「おいどうしたんだよ力也、町だぞ」
翔太が聞く
「でも明らかにおかしいよ?、僕たちの知っている町とは全然違うし森で見てきた木や植物も知らない物ばかりだった…何より僕たちの身体は明らかに人間じゃないよ?」
力也が疑問を問いかける
「そう言えばそうだね…飽くまで仮説だけど僕らは違う世界に来てしまったとか?」
飛鳥の言葉に2人は沈黙する
「と、取り敢えず見るだけ見て行こうぜ?やばかったら俺が2人ぶら下げて飛べば良いだろうし」
「そ、そうだね!取り敢えず言ってみようか」
「入れてもらえると良いんだけどな…」
3人は気をとりなおして町に向かって歩き出した