森の中のアレ
ロケーション:何処かの森
時刻:夜
「いったぁ〜」
意識を取り戻し痛む身体を起こし腰に手をやらながら目をパチクリさせる
「マジ誰だよアイツ、ゼッテー警察に突き出してや…」
ハッキリした視界の中に映るのは風が吹き木々がざわめく森の中である事に動揺する
「ここ何処だよ、俺ら確か穴に落とされたはずだよな…」
「あ、力也達は⁈」
周りを見渡して見ると近くに紺色のローブを着た人が倒れているのを発見し痛む身体を持ち上げ駆け寄ってみる
倒れている人は人間とは真っ白な肌と長い白髪の女性であるのを確認した翔太は鼻の下を伸ばす
「うほ、美人さん!、じゃなくて…えーとこういう場合は確か」
以前人が倒れている際に取る適切な行動を思い出し、女性の肩を叩く
「大丈夫ですか、大丈夫ですか!、大丈夫ですか‼︎誰か来てくださーい‼︎…誰もいねぇ」
バイクの免許を取る際に習った事をするが誰1人いない森の中では不毛であった
「畜生AEDを持って来る奴もいなけりゃ救急車を呼ぶ奴も…あ、携帯あるじゃん」
携帯の存在を思い出し学ランのポケットに手を入れようとするが中々手が入らない
「え、は?ポッケない?、てか服」
ポケットがない事に動揺し下を向いてみると大きな2つの丘と黒いゴム質の服が見える
徐々に身体の異変に感づき胸を岳ではなく頭と背中にもなにかあり頭と背中に手を回す
「え、角?と…なんだこれ?」
「なんじゃこりゃぁぁぁぁあ‼︎」
「ヴヴン!…」
「うわ、おっさんみたいな声出すなよ」
翔太の叫びにうなされる様に女性が意識を取り戻す
「あ、起きた」
「あ〜いてて、もしかして腰やったかも…」
「お姉さん幾つ?どこ住み?メッチャ可愛いね〜外国人?名前なんて言うの?」
「あー待って、今腰やばいから」
「ね〜教えてよ〜」
腰を抑えて横になる女性に翔太は肩を揺する
「わかったわかった揺らすな痛い、名前は飛鳥16歳、見ての通り日本人だ。あとどう見ても男だろ」
「え…」
「所でそちらの名前は?」
「翔太です、赤坂高の2年でサッカー部です‼︎」
「え…お前まさか翔太か⁉︎」
飛鳥を名乗る女性が飛び起き翔太を見る
「は?お前まさか飛鳥⁉︎」
見つめ合ったままお互いの変化に目を丸くする
「あ、翔太がいるなら力也もいるはずだ」
「お、そうだな。お〜い‼︎力也〜‼︎」
同じ穴に落ちたなら全員同じ場所に落ちるはず、力也を探そうと翔太が声を上げる
「ダメだ見当たらない、というかここ何処なんだ…」
「知るかよ、起きたらここに居たんだ。おーい!力也〜‼︎」
ウワータスケテー‼︎
2人が付近を捜索してると何処からか可愛いらしい声が聞こえてくる
「聞こえたか‼︎」
「あぁ…というより…」
「うわあぁぁあ‼︎タカイヨー‼︎コワイヨー‼︎」
翔太達のすぐ側に生えている小さな木に少女ならぬ幼女が枝に引っかかってじたばたと手足を動かしている
その身体は翔太とはまた違った異常さを持っていた
基本的な身体の構造は人間と同じだが肌の色は緑色をしており綺麗な金髪で頭の上には左右に手のひらサイズの花が咲いて、また腰からスカートの様に花弁が垂れている
因みに短めのワンピースを着ている
高さは翔太と飛鳥の顔と同じ位の高さの枝に位置する為に翔太達に慌てる様子はない
「あ〜いたいた、さっさと降りてこいよ力也」
「随分小さくなったね〜」
「いいから助けてぇぇえ‼︎」
「いや助けるも何も…」
「その位降りられんだろ」
「高い怖い絶対痛い‼︎」
「しょうがないな〜力也は〜、飛鳥!足持て」
「え?あぁうん」(あるんだ…脚)
言われた通りに飛鳥はくの字に引っかかっている力也の足を持つと翔太は力也の手を持つ
「で、どうすんだ?」
「あ、手だけで良いか。飛鳥放して」
「やっぱりバカdブヘ‼︎」
翔太が力也を思い切り下に引っ張った為に飛鳥は顎にかかと落としを食らう
力也は逆さまの状態で翔太に腰を持って貰っている
「あ〜助かった〜」
「いった〜舌噛んだわ血出てないかな」
「はい倒立ー」
徐々に力也を降ろし力也は地面に手を着くと同時に翔太は手を放すと力也は逆立ちの状態になりそのまま前に前転をしポーズを決める
「おー」
「いや〜怖かった〜」
「確認するけど力也だよね?」
「うん、そうだよ!」
飛鳥の問いに力也は着地のポーズのまま翔太達の方を向きドヤ顏で答える
「ええと翔太と飛鳥で合ってる?」
「おう」
「合ってるよ」
「2人ともどうしてそんな姿に?」
「僕が起きた時には既にこの姿にだったよ」
「俺も同じく〜」
「随分大きくなったね〜」
「イヤイヤ、力也が縮んだんだよ」
「そうだったんだ‼︎…」
「まぁその位にして…状況を察するに僕ら3人は穴に落ちて気づいたら身体が変わった状況でここにいた、なおここが何処だかわからないって感じかな」
「そうだね」「オーケーオーケー」
「う〜ん、どうしたものか…」
「取り敢えず持ってる物を確認してみよ?」
「持ってるも何も…」
「あ、俺力也のパンツなら持ってるよ?」
そう言って翔太は女児物の白い無地のパンツを指で回していた
驚いた力也は花弁をたくし上げ股を覗き込むと顔を真っ赤にさせる
「返して〜!」
「やーだよ」
鬼ごっこを始める2人をみて飛鳥はため息を吐く
「こいつらをまとめ上げるのか…」
「助けたが来るのも怪しいし移動するか…おい待て‼︎置いてくな‼︎」
こうして3人は森の中を移動し始めた