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異世界が日常化した世界のお話  作者: アンライク
第一章 泥被りの英雄と吸血鬼
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第2話 自分と周りの評価は全然違うな

「こんな落ちこぼれ依頼解決者(クエストハンター)に何か?」


「君が落ちこぼれだったら君より成績下位の者達は一体どれだけ不名誉な称号をもらうんだ?」


「さあ?少なくともクラス内で二十人ほどはもらうんじゃないか?いいじゃないかグリアは入ってないんだから」


「それは君が一年の三学期に成績を無理にでも落としたからだろう?」


そう、僕は三学期に無理やり成績を落とした。その結果、いつもクラス内十位圏内だった成績は十四位まで落ちたのだ


「君がどうして成績を無理に落としたかはこの際問わないでおこう。それで僕達の手伝いを断られたら嫌だしね」


金髪の男子――――グリア・リーディアンはそう言いながらミリアーナと共に龍牙の目の前の長椅子に二人で座る


「で、何の依頼を手伝えって言うんだ?」


「別に依頼じゃないよ。簡単なことだ」


グリアはそこでイケメンスマイルを作る

龍牙は露骨に嫌そうな顔をしながらその話を聞く


「僕達の騎士団に入ってくれないか?」


「断る、って言うかそれ何回目だ?」


「正確には57回目ね」


「諦めないなー。僕はどこに属するつもりもない」


「当たり前だ、君ほどの逸材をみすみす見逃すわけにはいかない。皆が君の価値を知る前にどうしても手に入れたい」


「まるで物だな僕は・・・・・・」


「言い方は悪かったがそれでも僕達の騎士団は嫌なことを嫌々させるような場所ではないよ」


「規律が悪くならないか?それって」


「規律が悪くなる様な人間は省いているからね」


成程、よほど人を見る目を持っているのか

グリアは相変わらずいろんなところでずば抜けている能力を持っている

まあ、僕が勝てる場所なんておそらくおっぱいへの執着心・・・・・・

そこ勝っちゃダメだろ!!


龍牙は一人で考え、そして落ち込んだ


「あの何勝手に一人で落ち込んでいるの?」


ミリアーナが怪訝そうな顔でこちらを見てきた


「いや、なんでもない」


「とりあえず考えておいてくれ」


「まあ、結果は変わらんがな」


そう言って三人で学生寮の方へと向かった



◆◇◆◇◆◇



龍牙はグリアとミリアーナと別れ学生寮の自室に戻ってきたのだがその自室の前に誰かが立っていた

今は通路を移動する人物も少ないため寮内の灯りは最小限にとどめられており誰かが立っている程度にしか見えなかった

その人物は足音を聞きとったのか左右を見渡し龍牙の方に気付く

そしてそのまま身体をこちらに向けて歩き出した

カツ、カツと甲高い音が歩くたびに聞こえ、龍牙は露骨に嫌な顔をした

なにせ学生でヒールを履いている人物など限られているからである

灯りがこちらに向かってくる人物の顔を照らし出した

少女は腰まである金髪を揺らして気の強そうな碧い瞳の中心にはしっかりと龍牙が収められている

そして一番特徴的ともいえるとがった耳が揺れる金髪の隙間から見え隠れしている


「どこに行っていたんですか?」


ただの質問なのに龍牙には尋問にも聞こえる声音でその少女もといエルフは碧い瞳を細めて睨んでくる


「先輩の手伝いだ。別に心配することじゃないだろ?」


「心配はしていません。誰かに迷惑をかけていないか、そちらの方が心配です」


「一体いつからそんな性格になったのやら・・・・助け出した当初はこんな性格になろうとは一度たりとも思わなかっただろうな」


「あの時とは状況が変化しましたから。それにこんな性格になったのはあなたのせいでもあるんですから」


「まあ、心当たりはありまくりだから困るんだけどね」


龍牙は頭をかきながらそう答える

はぁ、と金髪のエルフはため息をつき龍牙を見上げる


「今度からはこんな時間になる時は連絡を入れてください」


「はいはい、解ったよ」


そう言うと金髪のエルフも頷き龍牙に背を向けた

それと同時に龍牙の背後から声が響いた


「おい!寮間移動の時間は過ぎてるぞ!!さっさと戻れ!」


その声を聞いて龍牙は背後を向くが金髪のエルフはそのまま走り去った


「何だお前か。と言うことはさっきの金髪の女子生徒は・・・・・」


「エリーザですよ」


龍牙は肩を落としながらそう言う

目の前にいる人物は黒髪をお尻ぐらいまで伸ばし前髪をカチュームと呼ばれる物(カチューシャのゴム版みたいなもの)で止めており、物々しそうな軍服の様なものを着ており、あまりにも学園にいるには不釣り合いな姿だがこれでもれっきとして学生であり、僕の一つ年上だ。名前は鷺ノ(さぎのみや)若葉(わかば)

だが性格は全く堅くなくフランクすぎるくらいだ


「生徒会として寮内の見回りですか?」


「まあな、生徒会には極端に男子が少ないからな。絶対に誰かが男子の寮内を見回らねばならないんだ。どこかにいい人材がいないかな・・・・・」


若葉は肩を落としながらため息をつき、時折こちらをちらりと見る


「おっぱい10分間揉み放題で・・・・・・」


人差し指を立てて提案するが若葉のため息は更に深くなった


「一度でも君は自分から他の女子の胸を触ったことがあるのかい?」


少しあきれたような笑みを浮かべてこちらを見てくる

それに今度は龍牙が肩を落とす番となった


「ない・・・ですね」


「本当に度胸がないね。それとも後のリスクを考えているのか?」


「たぶんそうかもしれませんね。女の子は宝物ですし」


ははは、と乾いた笑い声が寮内の通路に響いた


虚しい・・・・


「見た目は良いのに、その言動と度胸のなさですべてをチャラにしてるね。ま、今後精進することだね」


「・・・・はい」


その言葉を聞くと黒髪を翻して若葉は暗い寮内の通路へと消えて行った


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