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異世界が日常化した世界のお話  作者: アンライク
第一章 泥被りの英雄と吸血鬼
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第1話 異世界から帰還

「龍牙!それで最後だ!!」


宙返りをしながら敵の攻撃を避け片足が地面に着くと同時にそのまま敵に向かって突進し首を剣で横薙ぎして切り落とす


「了解!」


龍牙と呼ばれた青年は刀身の根元が角ばって出ている青い剣を右手で持ち敵を撹乱する

そして相手が龍牙を見失った隙に後ろからその首をはねた

首が地面に落ちると同時に龍牙は剣をしまう


「今日の仕事は終わりっと」


龍牙の相方も剣をしまう


「しかし今日は楽でしたね」


「まあ、入口付近の敵はそんなに強くないからな。それよりも早く戻って休みたいぜ」


「そうですね。でも先輩が僕を誘ってくれるのは珍しいですね」


先輩の横に龍牙が並び歩いた


「只の暇つぶしだよ。まあ、単位が足りてなかっただけなんだけどな」


「それで僕を借り出さないでください。こっちはまだ春休みの宿題全然終わってないんですから」


先輩と歩いていると目の前にまるで門の様な建造物が見えてきだして青白く漏れ出した粒子が森の静けさ、夜の暗さと相まって幻想的に見えた


「さて、さっさと戻りますか」


そう言って先輩が門をくぐり龍牙もそれをくぐった

青白い光の中に入ると一瞬の浮遊感の後、そのまま直下に落とされるような感覚にさいなまれた

それを少し我慢すると自分の身体に自由が戻りそのまま目が開くと先ほど森にいたにもかかわらず今は明らかに草などではない人工物でできた床の上にいた


「ようやく学園に戻ってこれた・・・・・・」


気だるい身体を引きずりながら先輩の元へ行く

先輩は受付嬢と話していた


「はい、これで単位分は習得完了です。お疲れさまでした」


「ねえ、これからディナーでも―――――」


「次からはこうならないようにお願いしますね」


あっさりとナンパをスルーされあげく嫌味まで言われている


一体これで何度目だ?あの先輩がナンパ失敗してるの


龍牙は先輩の後ろを通りながら横目で先輩の方を見る

カウンターに額を乗せながら涙を流している


意外にメンタル弱いなあの人


噂話で先輩のナンパ事情は知っているがこうもメンタルが弱いと知ったのは初めてである

龍牙はこのフロアの中央にある待ち合い席の長椅子に座って後ろにある大きな丸いテーブルにもたれかかった

そして左手にあるデジタル時計で今の時間を把握する


「七時半か。そりゃだれもいないか」


時刻は七時を回っており周りには受付嬢として働く女性が数人程度いるだけだ


「全く世界も変わったもんだぜ・・・・・・・・」


テーブルに全身をもたれかからせながら暗い天井を見上げるといきなり視界が真っ白に染まった


「おい、誰だよ」


と視界の白い物をどかして体を起こすと目の前には二人の人物がにやりと笑って待っていた


一人は金髪に緑眼と言ういかにもイケメンフェイスの材料を持ち合わせた男子で、その上顔が整っているせいで余計にそのイケメン振りに拍車をかけている、なんかしらんが女子の間では長い髪を後ろで束ねていることも高ポイントらしい。僕は知らないが

龍牙は自分の頭の中で僕の方が上、僕の方が上、と唱えながらもう一人の方を見る


もう一人青色の髪を腰辺りまで伸ばし横髪の一部を後ろにリボンでくくっている女子だ

こちらの顔はどちらかと言うと美人の分類の上の上を行きそうなくらい綺麗で少し他の人より肉厚そうな唇が余計になまめかしい上、いつも紫色の瞳から淫靡な視線を送りだしているのでかなわんものだ。僕はすでに沈没している

そして僕の最も重要な胸は平均を超えており依頼(クエスト)に行くたびに鎧の中におさまる胸に「おい、そんなことをして胸の成長は止まらんのか?」と心の中で一人訊ねていたりする


「どうした?二人して。もしかしてミリアーナは僕に胸を揉まれに来たのか」


「本当はそんな度胸ないくせに」


青髪の女子―――――ミリアーナ・グレーシアはため息をつきながら龍牙の方を見る


「そんなことはないぞ?許可さえもらえればいつでも――――」


「じゃあ、いいわよ?」


ミリアーナはにっこりと笑顔でそう龍牙に答えた


「ではさっそく・・・・・」


龍牙は両手をワキワキとしながら椅子から立ち上がったがすぐに左腰についている細剣(レイピア)に手をかけられた


「でもそれは明日、ね?」


「すまん。明日にはそんな勇気はなくなっていると思う・・・・・」


やっぱり、とため息交じりにそんな言葉を出した

くそ、疲れを理由におっぱいを揉もうと考えたがそれを遮られてしまった

理性の持った状態でおっぱいを揉んだら確実に自己嫌悪で一週間ほど学校を休むだろう

疲れてた方が理性は飛びやすいしな

だがそれを考えた後、理性なくしておっぱい揉んだらそれはそれで後で自己嫌悪に陥りそうだな、とうなだれながら隣の金髪の男子が口を開く


「要件を、いいかな?」


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