表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜  作者: KeyBow


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/34

第27話 騎士の体躯と裸の付き合い

 隊長に案内された騎士団本部の浴場は、ディノッゾがこれまで利用したどんな宿屋の風呂よりも、広く、清潔だった。


 脱衣所でディノッゾ、隊長、そして護衛についてきた二人の騎士の兵士が下着のみになった、その時だった。


「失礼いたします」


 涼やかな声と共に、突然、三人のメイドが当たり前のように入室してきた。


「なっ!?」


 ディノッゾは慌てて前を隠そうとする。だが、隊長と二人の兵士は、まるでそこに誰もいないかのように気にも留めず、堂々と浴場の方へ向かっていく。どうやらここでは日常的な光景らしい。


「ディノッゾ様。恐れ入りますが、少し手を広げていただけますでしょうか」


 メイドの一人が、ディノッゾに深々と一礼した。戸惑いながらも彼が腕を広げると、三人のメイドは、流れるような手つきで彼の肩幅や腕の長さ、股下などを簡易的に採寸していく。


「ありがとうございます。新しいお召し物は、湯上りまでにご用意させていただきます。どうぞ、ごゆっくりお入りください」


 そう言い残し、メイドたちは嵐のように去っていった。

 一人残されたディノッゾは、この国の上流階級の文化に、ただただ圧倒されるしかなかった。

 気を取り直して浴場へ入ると、そこは岩風呂風の、湯気が立ち込める空間だった。


「ディノッゾ殿、こちらへ」


 隊長に手招きされ、洗い場に腰を下ろす。すると、おもむろに隊長が、ディノッゾの背後に回った。


「遠路お疲れでしょう。ささやかですが、まずは旅の垢を落とさせてください」


 言うが早いか、隊長が自らごしごしとディノッゾの背中を流し始めた。


「お、おい!?」


「はっはっは、遠慮なさらずに!」


 さすがにしてもらうだけにはいかない。ディノッゾも、慌てて隊長の背中を洗い返す。

 その時、彼は、自分の手の中にある背中の、あまりの分厚さと硬さに驚いた。


 ・・・すげえ体だ


 本物の騎士、しかも隊長を務めるほどの男だ。長年の鍛錬で鍛え上げられた筋肉は、鋼のように隆起している。それに比べて、自分はどうか。旅慣れてはいるが、所詮はひょろりとしたただの御者だ。ガタイが違いすぎる。

 ディノッゾの口から、ため息しか出ない。


 どうせセスティーナさんも、こういう逞しい体が好みなのだろうな・・・

 二人が湯船に浸かり、ようやく一息ついた、その時だった。

 これまで遠巻きに様子を窺っていた兵士たちと、そして隊長が、好奇心に満ちた目で、一斉にディノッゾに顔を向けた。

 ついに、質問攻めが始まったのだ。


「ディノッゾ殿! あなたは、本当に御者なのですか?」


「あの槍は、一体? まるで生きているようでしたが」


「あの跳躍は!? スキルだとしても、常軌を逸している!」


 そして隊長が、最も聞きたかったであろう質問を、真剣な眼差しで問いかけた。


「単刀直入にお伺いします。ディノッゾ殿。隣国のドラゴンは、一体どうなったのですか?ご存じないですかな?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ