表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

名探偵ボディビルディング

作者: 沙月Q

 俳優というのは辛い仕事だ。


 それは俺の故郷パリでもロンドンでも、ここハリウッドでも同じことだ。

 そもそもハリウッドに渡って来たのは西部劇が好きだったからだった。

 フランス人が西部劇好きでおかしいか?

 当然、好きだけでは仕事にはならないし他のジャンルにはとんと興味も知識もないと来てるので、およそ役には恵まれなかった。

 やがて年月は流れ、腹が出て頭は禿げ上がり、仕事があっても普通のおっさんの役がせいぜい…


 だが、そんな自分にもついにチャンスが巡って来た。


 世界的な名探偵の役が。

 俺は張り切って役作りした。

 必要なのは筋骨隆々の肉体。

 俺はボディビルに通って肉体改造に取り組んだ。

 名探偵になるためのボディビル。

 そして遂に本番の日。

 完璧な体づくりに成功した俺は一番にスタジオ入りして……

 スタッフ全員の呆れ顔に迎えられた。

「……なんだ?そのなりは?」

「え?役作りしたんですよ。ヘラクレスの……」

 監督はイスを蹴って激昂した。

「ヘラクレスじゃない!エルキュールだ!エルキュール・ポワロ!!」


 俺は主役をおろされた……



(エルキュール=Herculeは「ヘラクレス」のフランス語読み)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ