ハク３
駅で携帯をチェックをしてると後ろに気配を感じた瞬間
ハク 「誰に連絡してるんですかお姉ーさん」
ユリ 「あっ！ラーメンの・・・」
（名前なんだっけかな？店長が名前呼んでた気がするけど）
ハク 「俺ハクだよ平田ハクよろしくね♪」
ユリ 「ハク・・・くんよろしくふふふ」
ハク 「どこまで乗るの？」
ユリ 「〇〇駅までだよー」
ハク 「俺も同じ駅～偶然だね」
ユリ 「え”っ」
ハク 「その反応おもしろいねｗ」
ユリは笑うハクの顔を見ながら弟いたらこんな感じなんだろうと思った
電車のアナウンスが流れる
～「「まもなく2番線に〇〇・〇〇方面がまいります。危ないですから黄色い線の内側までお下がり下さい。」～
ハク 「電車来たね乗ろう」
ハクの後ろ姿を見ながらアオの姿も思い出してた
今時の16歳は不思議な年齢なんだなぁ
16歳に見える時もあれば見えない時もある
ふと10年前のことが頭をよぎった
私が20歳の時に近所の公園で小学生の子達が遊んでた光景
ベンチに座ってるといつも話しかけてきてた二人組の男の子
（あの子たちもアオやハクみたいに成長してるんだろうなぁ）
なんだか懐かしく感じて車窓から見える真っ暗な景色を見ながら
ユリは微笑んだ
その姿をハクは見ながらどこかで見た顔だと感じた
そして二人が下りる駅に着いた
ハク 「お姉さんはどんな男が好きなの？」
ユリ 「え”っいきなりなにっ汗」
ハク 「はははっやっぱりえ”って面白いｗ」
ユリ 「私の反応そんな面白いかなぁ」
ハク 「うん素直だし面白い」
ユリ 「素直だし面白いの意味がわかんないよ」
ハク 「大人の女性って素直じゃない人のほうが多いイメージなんだよね
なのにお姉さんは素直で生きてるって感じ～そこが可愛い♪」
ユリ 「子供に可愛いって言われても嬉しいのか嬉しくないのかわかんないよｗ」
ハク 「・・・そんなに16歳って子供？」
ユリ 「そりゃ30の私からすると子供だよ
でも子供に見える時もあれば見えない時もある
私の親友ね、16歳の子供がいるの
そう思ったらやっぱり子供に見えるほうが多いかなぁ」
ハクは胸の奥がズキンとした
そのまま無言でユリの家の前に着くと
ユリ 「私の家ここなんだ、ありがとうハクくん」
ハク 「いや・・・あのさお姉さん」
ユリ 「ん？」
ハク 「連絡先交換してくんない？」
ユリ 「え”っ」
ハク 「最後までその反応なのねｗ」
ユリ 「びっくりしちゃって・・・」
ハク 「お姉さんと話してると楽しいから連絡先教えてよ」
ユリは少し考えて携帯を取り出して画面を見ると
（え”っ!!なにこの着信数は！あっ・・・アオだ・・・どうしたんだろ・・・急ぎだったかな・・・）
ユリ 「うんわかったこれが私の連絡先、これからよろしくね！」
ハク 「ありがとう～毎日連絡する～じゃあね」
ユリ 「え”っ毎日してくるの？！」
ハクは笑いながら去っていった
ユリはハクを見送ってると携帯が震えた
画面を見るとアオからの着信だった
ユリは着信からなぜかアオが怒ってる様子が予想できて
恐る恐る電話に出ると・・・
アオ 『一回で出てよ！！心配するだろ？！
何回かけたと思うんだよ・・・死ぬほど心配した！』
ユリ 『あっアオくん・・・ごめんなさい
ちょっと電車に乗ってたから出れなかったんだ』
アオ 『よかったー・・・ユリの家行こうかと思ったよ』
ユリ 『電話出れなくてごめんね、心配もかけてごめん」』
アオ 『んーん、安心した、ちゃんと風呂入って寝なよ？おやすみ』
ユリ 『うんおやすみ』
心配かけてしまったことに猛烈に反省した
そしてお風呂に入って布団に潜った
一人部屋でハクはユリのことを考えてた
あの横顔どこかで見た記憶があったのだ
最近じゃなくて遠い昔に・・・
あの横顔・・
お姉さん・・・
アオが言ってた10年前・・・
散らばったピースをはめるかのように
すべての記憶が繋がった
（お姉さん・・・あの時の人かも・・・アオと俺が10年前に出会ってた人・・・）
ハクはまた身体の奥がズキンとした
なんだろうこの不思議な感情
自分にもわからない感情
考えながらまたユリの横顔を思い出していた
「ユリの物語３」
ハクくん可愛いなぁ
弟がいたらあんな可愛いんだろうなぁ
一人っ子の私にはわからないけど・・・
アオには心配かけちゃって反省・・・
今日は不思議な日だった
アオに続いて同じ16歳のハクとも友達になるとか
不思議すぎて笑う私がいる
でも不思議なのはアオのことは弟に思えない
なんでなんだろう
「アオの物語３」
ハクに気づかれてないか不安だ
10年前とか言っちまったし
そのうち気づくだろうなー
ハクもユリを好きになったらどうしようかー
・・・ハクは彼女いるから大丈夫かな
一応注意しとかねーとなぁ
